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短編小説

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140字以上の小説がまとめられています。 増えていくペースはゆっくりです。
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#超短編小説

霧の中で

外に出ると辺り一面を霧が覆い尽くしていた。
チラリと背後をうかがえば、仲間達はまだ玄関で準備をしており、来る気配はない。
(少しだけならいいかな)
私は霧の中に歩いていった。
少し歩いただけなのにもう建物が見えなくなってしまった。
このまま歩いていったら異世界に行けるのではないか。
そんなことをボンヤリ考えていると背後から声をかけられた。
振り返れば彼の姿があった。
「何してるの」
「暇だったから

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