見出し画像

2020-06-06

思い出を歩く

久々の駅で電車を降りました
むかし住んでいたところです
駅前におもかげはありました

過去の家への道すがら
もの思いにふけったあの通りはもうなくて
歩道橋をのぼったりトンネルをくぐったり

家は外壁がこわされていて
中身はまだあるようでした
このまま解体されるそうで
わたしが
洗濯ものをほしていたベランダが見えました

思い出とはわかっているけれど
元々の心もとなさに拍車がかる
うらの階段にかげろうが横たわっていました

より所をなくしたわたしは
もうさよならがいえません
今を生きるしかありません

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?