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【徒然ボカロ一人語り】第32週目

※【前書き】これは私が学生の頃から今までの間に個人的に感銘を受けてきたボカロ楽曲の数々を今更ながらに振り返り、紹介してみようというブログのようなコーナーです。予めご了承ください。

こんにちは、Sai.です。今週も引き続きIA特集となりますが、5月ということで、これから暖かくなる季節にふさわしい前向きな一曲を紹介して参ります。

Melting Glacier

yusukeP feat.IA

氷が溶けて流れ出していく様を心模様の変化に準えた、春にふさわしい始まりの曲です。オケメロはピアノとストリングメインのオーソドックスな構成をとっていますが、各々の音色が派手に目立ちすぎることはありません。むしろオケが全て背景に回ることで質の高い一体感が生まれ、IAの歌声をより一層引き立てています。一方、IAの歌声もハモリやコーラスは一切使わない、基本的にノンビブの素朴な調声となっております。

前回レビューした『ラヴ・サジタリウス』とは対称的に、『Melting Glacier』は歌詞やオケにこれといって尖った特徴を持っているわけではありませんが、逆に聴く人を選ばない、水のようにスッと誰の心にも抵抗なく入り込むような親しみやすさを曲想として持っています。また歌詞も非常に親しみやすい内容で、新しいステップに踏み出すことへの不安と期待が混じり合った、等身大の感情が「氷河」に例えて表現されています。

個人的には「朝の光に消え去ってしまえ」という歌詞がお気に入りでして、この一見強く捉えられる言葉の裏には、語り手自身の心の不安を無理やりに抑え込んでいる人間味臭さが伺えます。

『Melting Glacier』はそんな新生活への不安を抱える人にこそ聴いていただきたい、とても勇気の出る曲です。5分ほどお時間を頂戴し、是非上記リンクボタンをクリックいただければと思います!

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