「南極越冬隊タロジロの真実」の感想
怒涛の読書欲
40ページの漫画(20作品目)を描き終える前後から怒涛の読書欲が出ていて、一日1、2冊読むようになってしまった
こうやって良いなーと思った作品はツイッターで手短にまとめてるのだが、今日読んだ本はちょっと短文でまとめるのが難しくなったのでNOTEで書くことにした
南極越冬隊タロジロの真実
タロシロについての知識がそこまでなくて、剥製になってるところ辺りしか知らなかったのだが、たまたま別ジャンルの世界史の書籍を読んだ時にチラッとタロジロの話に触れられてたので興味を持って読むことにした
「もはや戦後ではない」
タロジロの南極観測隊が南極に向かったのは戦後11年後。経済白書が「もはや戦後ではない」と発表した年だった
戦後日本の国力を示す意味もあった南極観測隊
選ばれたのは元特攻隊員や山岳で遭難し生還した者など「死ぬ」ような経験をして「死ななかった者」が選ばれていった
南極大陸で犬ぞりとして活躍するタロジロを始めとして犬達も、樺太犬の中で選りすぐりの犬が選ばれていったのである
犬がかり
作者の北村泰一さんは最年少で南極越冬隊に入り、犬達の面倒を見る「犬がかり」になる
初めは昭和らしく棍棒で躾をしてた北村さんであったが、南極大陸の過酷な状況の中犬との交流を通じて犬に「心」があることを知っていく。
これは美談なのか?
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%AD%E3%81%A8%E3%82%B8%E3%83%AD
本はタロジロだけではなく、様々な犬の交流も描いてて一匹一匹の個性があったことをみずみずしく描いていく
しかし、ウィキで見れば分かるように、彼ら犬達は1年間南極大陸に置き去りにされるのである
この話は過酷な状況の中でも生き延びたタロとジロの奇跡を描いているのだと思っていたら、そうではないのだ
これは最後まで読んで欲しいのだが、決して美談で描いてない
作者がなぜ50年後になってこの話を書いたのか
それについてひどく考えさせられた
中島みゆきの「荒野より」
これはタロジロの話を元に描いた「南極大陸」の主題歌なのだが
私はこれは犬の歌というより、「犬がそう言ってくれたら、どれだけ良かったか」という歌なのだと感じた
作者が犬達について、いくら悔いても、嘆いても物言わぬ犬たちは、作者に何も言わない。ただ、そこにあり続けるだけなのだ。
ついでに西日本新聞の記事を
犬の仲間意識の強さに、本当に驚いてしまう
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/457285/
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