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人材不足、これからの福祉はどうなってしまうんだろう。

相談支援専門員をして、10年近くなります。

ここ数年、私の自治体では、放課後等デイサービスの空きがなくなりました。
新しく一年生になる特別支援学級や特別支援学校の皆さんは、週5日で放課後等デイサービスを使うことはもう難しいです。
両親共働きの家は、まず、お仕事を続ける事ができないでしょう。

そもそも放課後等デイサービス自体がお子さんを預かる事業所ではなく、療育の支援を行う事業所です。最近は送迎負担を軽減し、療育の質を上げるために学校に迎えに行ったり、家に送り届ける送迎を辞めてしまう事業所も増えてきました。
学校の学童も、障害児はつかえません。(私の地域では)

この前の報酬改定で訪問介護の報酬が下がった事が原因か、担い手の高齢化が原因か、ヘルパーステーションも閉所が相次いでいます。
今、新規で家事援助や、移動支援を頼んでも受けてもらえないですし、閉所に伴いサービスが打ち切られてしまった利用者さんの支援を引き継いでくれる事業所も見つからない状況です。
一人暮らしをしていて、自分で買い物に行けない人は、本当に死活問題でしょう。トイレに行けない、お風呂に入れない(身体介護は報酬が高いので比較的見つかりやすいですが……)ヘルパーが見つからないということは、大変危険なことです。でも、見つかりません。突然閉所する事業所も後を経たないので、正直、ヒヤヒヤしています。

ほんの数年前までは、もう少しマシでした。
頑張って電話をすれば、どうにか見つかったり、待機していれば空きが出たり。
事業所が閉鎖になっても、そのほかの行き先を探してから閉まってくれたり。

やはり、コロナ禍が良くなかったのかもしれません。
たくさんの人が自分の身の振り方を考えて、福祉の現場を去りました。
医療職の人もたくさん去って行きました。


これからどうなっていくのでしょうか。
ないサービスを、探す。
ないサービスに繋がなきゃいけない。

この前は、虐待があった放課後等デイサービスを、利用者に紹介しました。
あの事業所は良くないことはみんな知っていて、劣悪な環境です。
でも、他に紹介するところがないんです。
こんなことはしたくなかった。

私はただ働いているだけの会社員です。
でも、言われます。「どうにかしなさいよ、早く見つけなさいよ、ヘルパー事業所が急に閉まるなんて、こんなことあっていいの?もっと事前に知らせがあるはずなんじゃないの?」

ヘルパー事業所を運営している会社と、私の会社は違う法人です。
でも責められる。次の支援をしてくれる先は見つからない。

「仕事を辞めなきゃいけないの、なんでデイサービスがないんですか?なんで学童は使えないの?おかしいじゃないですか。どうしたらいいですか」

私にはわかりません。私もおかしいって思います。
なんで障害児は、放課後の支援が学校で受けられないんでしょうか。せめて、特別支援学校に学童に相当するものがあれば、いいのに。(きっと、そちらも過酷な状況なのでしょう。)


相談窓口ばっかりいっぱいあって、支援がありません。
そのうち、相談窓口も辛くなってきて、人がいなくなるでしょう。
そうしたら、困った人たちはまず相談窓口を探す必要が出てくるでしょう。


福祉ってなんでしょう。
このままだとどうなってしまのでしょう。
毎日毎日、奇跡と運の頼みの、綱渡りをしている気分です。

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