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第3回 あさお家は地獄の三輪車の夢を見たか?

こんにちは。#あさおようは電気毛布の夢を見るか 3回目となりました。
前々回お知らせした「絵本ナビ出版社イチオシレビューコンテスト」
『じごくのさんりんしゃ』に沢山のレビューありがとうございます!
「地獄」に興味をもって下さった方。
絵本を楽しんでくださった方。嬉しいです。

そんなわけで、今回も絵本『じごくのさんりんしゃ』のはなしをさせていただきたいと思います。

さて、今回の『じごくのさんりんしゃ』は過去篇。

今から30年ぐらい前のお話です。

子どもの頃、あさお家にはこんないい伝えがありました。

「長男U(筆者の3歳年上の兄)が5歳の時生まれて初めて作った物語
それが『じごくのさんりんしゃ』である」

まだ幼い息子(兄)がこんなハイセンスなタイトルの物語を作るなんて、、うちの子はアインシュタインもびっくりな超天才じゃあないんだろうか❓

なかなかの子煩悩な両親は、
ことあるごとに兄が初めて作ったお話のことをそうはなしておりました。

幼少の頃、僕はこのはなしを聞いて

「お兄ちゃんすごいな」
という気持ちと

『じごくのさんりんしゃ』っていったいどんなお話なんだろう??
という想像がムクムクと育っていきました。

兄の創作話『じごくのさんりんしゃ』は
内容がなぜか僕には伝えらないまま
偉大なる兄が作った伝説の話として
ここからひとりあるきをはじめます。

父の日誌には、当時の僕が『じごくのさんりんしゃ』の話をねだった記録が残っています。
(注:父はメモ魔人)

1988年12月11日
よう(4才)U(7才) 
T(父)はよう(4才)に「地獄の三輪車」の
(父の作った)創作話をしてやる。

1989年1月4日
T(父)はよう(4才)に「地獄の三輪車」
(三回目)の話をしてやる。録音。「なみだの飛行船」の絵本を読んでやったのちに、T(父)の創作話。「サンリン」という名前の子どもの三輪車が、ようと右側のトンネルに進むところでテープが終わったのでお話を終える。

僕自身はまったく覚えていませんが、父から何度も
『じごくのさんりんしゃ』のはなしをつくってもらっているのです。

そういったこともあって絵本作家を志した時
じごくのさんりんしゃ』の絵本を作ってみたい。という気持ちは
僕の中から自然と湧き上がってくる想いでした。

当時5歳だった兄に『じごくのさんりんしゃ』の絵本を持っていったら
どんな話なら喜んでくれるかな?
4歳の自分に聞かせたら満足してくれるかな?

そう考えながら作ったのがこの絵本です。

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今回兄が初めて作った『じごくのさんりんしゃ』も公開してみます。
5歳の作った物語『じごくのさんりんしゃ』もよろしければお楽しみ下さい。(スマートフォンでご覧になるときは拡大してください。みにくいかも。。)

じまとめのコピー

僕もこの記事を書くために、初めてこの本をよみました。
※最初に絵本を作る段階でも、筆者は何度も兄の作った『じごくのさんりんしゃ』を読みたいと言いましたが、父がみせることはありませんでした。
伝説とはかくて作られたり

5歳の子って、大人が考えてるより難しい言葉遣い好きだよなぁ。
と感じたり
夢日記を見ているような、荒唐無稽なお話が楽しいです。

最後に父の日誌より

1986年8月6日(水)この日は〇〇(祖母宅)から右京団地へ戻ってきた日
夕方U(兄)が「地獄の三輪車」という絵本を作る。T(父)がUの語りを字に書いてやる。作品集参照せよ。U(5才)が語る「地獄の三輪車」のお話。

これが『じごくのさんりんしゃ』の一番はじめの誕生の記録です。

みなさま、楽しんでいただけたでしょうか?

自分が子どものころに作ったお話。
お子さんが今、はじめて作ったはなし。

長い時間の中で、ある時フッと自分の前に姿を現す時があるかもしれません。

"深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ。"
とかつてニーチェは言いました。

僕は
"過去をのぞく時、過去もまたこちらをのぞいているのだ"
と思いますし
"物語をのぞく時、物語もまたこちらをのぞいているのだ"
と感じます。
見つめ返された時。相手がニッコリ笑ってくれるようなこちらでありたい。そう考えています。


あと『じごくのさんりんしゃ』(フレーベル館)の解説を少し。↓をどうぞ

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そして地獄はもちろん大元の「仏教」も中国から伝来しています。

じごくについて2のコピー

長らくお付き合いありがとうございます。

次回!まだまだ続く『じごくのさんりんしゃ』のお話。
『じごくのさんりんしゃ』(フレーベル館)の細かな地獄解説
イメージラフを公開します。
お楽しみに!

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