tAnuKi

全然器用じゃないので、器用にみられるように頑張ってる会社員。

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最近の記事

【死を友達のように想うこと】

わたしが大事だと感じたものは この先も永遠だと思いたい 人生の内で、私はこんなことを、今まで幾度となく思ってきた。そして、これからも幾度となく思うだろう、と。 温かく居心地の良いその場所が、たとえ過去のものでも、 振り返って思い出せば、いつだって戻れるから。 だから大丈夫、きっとそうだよって、 未来の私がそう言ってる。 なんのこと?って、死ぬことは怖いものではないってこと。 かの有名なJ.K.ローリング作のハリーポッターの映画(最終作かな)でも、"死を友人として"

    • 【きらめきの音がみえる】

      「就職おめでとう」 父がほんの少し口角を上げ微笑んで、ワインのグラスを向けてくる。隣に座る母は寂しそうだけど嬉しそうな。なんとも微妙な表情で、同じように私にグラスを向ける。妹は柚子酒のくびれたグラスをにこにこしながら持っていて。それに対して、私のチョイスのビールが全然合わないなあと感じつつ、「かんぱーい」照れてしまったから、ふざけた言い方になってしまうも控えめにジョッキをぶつけた。 カチン。 グラスが重なり合う瞬間は、いつも小さな星が生まれるのが見れる。 . .

      • 【Lilyに告げる】

        実のところ、実話なのか空想なのか、現実だった気もすれば妄想の中での思い出な気もする。とりあえずただただ、胸がくるしいということだけはどうやら頬を抓らなくても現実だと良く分かるんだ。 とある年の3/14。 ホワイトデーだから、白い手紙にしたんだよって、君は言った。「おお、ロマンチストだね」なんて私はちょっと笑った。皮肉ではない。 この世で色の名前が付く日は 私の知る限り、ホワイトデーだけ。知識が無いだけかもしれないけど。ああ、ロマンチックだ、素敵だなあ。 そんな風に感じた

        • 『ビールはご褒美じゃない』

          . . ーーとあるOL3年目女子2人の会話ーー . 社会人になって呑む機会は格段に増えた。華金、スーツ姿の社会人老若男女問わず溢れる飲み屋。 目の前の親友がジョッキを右手に金色に輝く液体を勢いよく喉に通す。 「この為に生きてきた!」 彼女は私と同じくして社会人3年目。 「大袈裟だよ。そんなに今週疲れたの?」 と、言っても私もまたゴリゴリに疲れた。部署の異動、新人の育成、会社は同じといえど変わる環境。肩が凝っているなんて忘れてしまう程に忙しかった。 「学生の

        【死を友達のように想うこと】

          わたしの弟へ。

          3年前に亡くなった愛犬への後悔です。 私の弟への後悔を、弟が亡くなった直ぐあとに思いつくままメモしたものです。ずっとずっと忘れられなくて、メモも消すこともできずに。届く事は無いけれど、いつかまた会えた時の為に、こちらにしたためて置かせてください。 尚、ペットロスの感情そのものなので、同じ想いを抱いた事のある方、又は抱いている方は悲しみを思い出させてしまうので、閲覧御注意お願いします。 . . . 可哀想な翔くん。後悔で沢山だよ。 1人ぼっちで、あんな冷たい箱に置い

          わたしの弟へ。

          『拝啓 my boyfriend』

          . . . たとえば、そう、じゃあ、 小学生の君はとても小さくて、今より顔もまるくて、スポーツが大好きで、ちょっと好きな子にいじわるしてしまうような、 中学生の君は背の順でもまだ前の方で、けれど少しずついまみたいに顔の輪郭が整ってきたのかな、とか、 高校生の君は背がぐんと伸びて高くて、サッカー打ち込んで、そして好きな子とかできちゃったりして、そして彼女をとても大切にするような、そんな子だったのかな、とか 君が少しずつ、少しずつ、君になっていくあいだを、私だって見

          『拝啓 my boyfriend』

          『秋と落ち葉と黒猫』

          僕は季節の中では秋が1番好きだ。 空が澄んでいて高く感じるし、夏のように暑すぎてうだる事も、冬のように寒すぎて風邪をひいて縮こまる事もない。 踏みしめる度に、乾いた音をたてる鮮やかな落ち葉も好き。 そして、僕がより秋の中でも好きなのが、こうして帰り道に、君と帰る儚い夕暮れ時。 「笑っちゃうくらい中間できなかったなー」 「夏前の期末でもそれ言ってたよ」 高校のすぐ近く。紅葉の飾りが圧倒される程大きな木に囲まれたアーチの並木。銀杏だけを踏んで帰るという小学生のような遊

          『秋と落ち葉と黒猫』

          【どこへも行けない、私の話】

          ーーーー記憶はいつも、わたしを過去の隙間に突き落とす。 好きなひとが、いた。 その人は頻繁に、髪型が変わるひとで。 サロンのモデルとかしてしまうような、薄くも線の綺麗な顔立ち。古着が大好きで、洋服に愛情とお金をかけるひと。 よく、その人は前髪のセットを変えたりしていた。 私は彼の髪型が変わる度に、気が気じゃなかった。 色々な彼が見れるけれど、ほかの人達の目にもうつるから。人は変化に敏感だから。定期的に、髪型という外見に含まれる部分が変わる彼を、人はきっと見る筈だか

          【どこへも行けない、私の話】