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春と風#シロクマ文芸部

春と風は仲良しだ。
春を迎えるために開けられた窓から、風はいろいろなメロディを運んでくる。近くの中学の横を通ると、懐かしいピアノのイントロが聞こえてきた。
それに続き生徒たちのちょっと不ぞろいの歌・・・

春のうららの隅田川
上り下りの舟人が
かひのしずくも花と散る
眺めをなににたとふべき

作曲 滝廉太郎・作詞 武島羽衣

滝廉太郎の「花」だ。なんて美しく、格調高い歌詞だろう。特に「櫂のしずくも花と散る」のフレーズが好きだ。中学生時代、コーラス部にはいっていて、アルトパートを歌っていたので今でも完璧に歌える。

仲間外れにされたり、役員を押しつけられたり、孤独だった14歳だったが
皆と声を合わせて歌っているときは幸せだった。長い髪を三つ編みにして
セーラー服姿のわたしは、きっと頬を染めて歌っていただろう。

春風が思い出とともに運んで来たメロデイを楽しみながら、のたりのたりと
春の一日は過ぎてゆく。

一年ぶりの
そより
懐かしい風に
自然がふるえる
それが春

              おわり

  「花」の合唱曲、時間あったら聞いてみてくださいね。
   ピアノ伴奏も素敵です。        





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