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ヘルパー日記後編3(103歳!)

スポット(ピンチヒッター)で、Tさんのお宅に行きました。Tさんは、
103歳、わたしがうかがった方の中では、最年長です。
ベッドで、眠っている時間が長いのですが、トイレは、ちゃんと起きて
ベッド横のポータブルトイレですますし、夕ご飯は、車椅子で、リビング
まで移動し(ヘルパーが押して)普通の食事をなさいます。

2年ぶりの訪問だったのですが、以前とほとんど変わっていない、つまり、衰えていないのには脱帽です。
しいて言えば、ベッドの柵につかまって立っている時間が減ったことかな?
リハビリパンツ(パンツ型紙おむつ)をはいていられるので、脱がすのをぐずぐずしていると、へにゃり、と座りこみそうになる。
だから、膝で支えながら、脱がし、ポータブルトイレを後ろからさっと前にさしこむ感じで移動させるのがコツです。

よく眠っていられるので、声をかけて起きていただき、ちょっと面白い話なんかをして、目がさめたところを介助して、身体を起こし、
しばらくベッドに座って、完全に目覚めてからトイレ介助しないと、あぶない。

でも、うれしいことに、くだらないことにでも、歯のない口を大きく開けて、とっても楽しそうに笑ってくださるのです。

「Tさあん!おひさしぶり!トイレの時間だから起きてくださぁい!
さあ、目を開けて!うわ!美人が見えるでしょう?」
これだけで、もう爆笑してくださいます。

夕ご飯は、コンビ二の五目寿司が用意してあったので、時間の少し前に
起こして、トイレもすませ、車椅子に座っていただき
(これも、実はけっこうたいへんだった。パジャマのゴムのところを持って、後ろからぐっと移動させないと、車椅子から
すべり落ちそうになるので)リビングに移動。

「テレビ見ましょうか」というと
「見てもわかんないから、いいよと」のこと。
でも、広くて薄暗いリビングで、二人きり、というのも寂しくて、テレビの天気予報みながら夕食にしました。
電気がもったいない、と、Tさんが言うので、三球ある電球の一つしかつけられないので。

7時近くになって、息子さん(75歳くらい)が買い物をして帰って来られたので、留守中の様子などをお話して帰ってきました。

大正生まれかな?
想像もつかない時代だけれど、若い日のTさんは、きっとほがらかで、笑顔がステキだっただろうなぁ・・・
その笑顔が、今も健在なのは、すてきなことだなぁ、と思いながら・・・

          
        ヘルパー日記後編3おわり





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