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【井上佃煮店】弟子が語る、井上佃煮店の美味しい秘密

井上佃煮店が錦小路から下鴨のフレンドフーズへ移って、早一年が経ちました。

おかげさまで、遠方からのリピーターのお客さまや、近隣のコアなファンのお客さまにもたくさんお越しいただいて、ありがたいかぎりです。今回はそんな井上佃煮店の弟子になり半年の私からみた、井上佃煮店の美味しさの秘密をここだけのヒ・ミ・ツ♡で公開します!

井上佃煮店の秘密「レシピがない!」

井上佃煮店には何十種類ものメニューがあります。毎日、定番の「万願とうがらし昆布」、「いかみょうが酢」をはじめ、四季折々の旬の食材を使ったメニューが入れ代わり立ち代わりで店に並びます。

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なんとこれらのメニューには、レシピが書かれたレシピブック的なものは存在しません。それは、137年の歴史の中でずっと。レシピは五感のなかにあり、伝統として語り継がれてきたもの。店主梅村の頭と体と心に、全レシピが染み込んでいます。

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私は今、揚げ物を担当していますが、唐揚げひとつにしても「この分量の鶏肉なら指3本分でつまんだ塩を入れる」とか「お酒はクルッとかけてこれくらい」とか、揚げる時間も何℃で何分ではなく、何℃でこんがりきつね色、みたいな感覚で教えられます。

はじめは正直、適当な教え方でわかりにくいなぁと思っていました。しかし、その教え方の理由について、「毎日同じ量のメニューをつくるなら、塩は小さじ何杯、酒は何mlと決めていた方が作りやすいけれど、それでは量が変わった時につくれなくなる」と聞いて、なるほど!と納得しました。

「適当」な教え方は、悪い意味のいいかげんの「適当」ではなく、良いかげんの「適当」だったのです。

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そのときの食材の量・質、あらゆる状況を見極めながら五感でつくる感覚が、美味しさを引き出す秘訣。「お客さまに食べてもらう」ことを考えてつくる井上佃煮店には「立派な店やと言われるよりも、親切で正直な店やと言われるように心がけるべし」という店祖遺訓があります。

この言葉は今なお守り続けられていて、商品をつくるときは「お客さまに食べていただく」ことを心に、つくっているのです。

例えば、材料のミョウガや生姜を切るときは、お客さまが食べやすいようにと細かく丁寧にを心がける。きゅうりは先の苦い箇所は削って使うなど、細かいところにまで優しさが詰まっています。

日々精進! 毎日、感覚を磨く修行に四苦八苦していますが、弟子として少しでも多く師匠のレシピ、技術、優しさを継承していけるよう、日々精進していきます!

ただいま、ひっそりと「井上佃煮店、フレンドフーズとタッグを組んで一周年記念」として錦のお店で大人気だった、ちりめん山椒を販売しております。

年末にはおせちの販売(セット販売はありません)もしていますので、どうぞお越しくださいませ。

この記事を書いた人

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名前:梅村 美都(うめむら みさと)
部門:精肉部&惣菜部・井上佃煮店担当

精肉部でお肉の勉強をしつつ、惣菜部で井上佃煮店の弟子として邁進中。


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