人生の「あの瞬間」を思い出せないのは

何もせず、休日が終わる。でも、今までどうやって休日を過ごしていたのかも思い出せない。

今の私は過去の私の積み重ねであるはずなのに、過去の記憶があまり残っていない。人生の中で何回も決断をして、その副作用として自分の可能性を狭めてきた。今となっては、その選択がもたらしたかけがえのない時間の記憶と、選択によって失った可能性への後悔が、波のように交互に打ち寄せ、心が乱される。

でも、肝心の、その決断の瞬間が全く思い出せない。きっと決断の「瞬間」というものはなくて、決断の期日まで、だらだらと頭の中で、決断のシミュレーションをしていたのだろう。だから、本番はあまり劇的ではなく、記憶に残らない。

今までひたすら思い悩んで、妥協もして、決断をしてきた。今更、人生に激動の箔をつけようとしたって、無理があるのは見えている。そんなことを頭に浮かべながら、今日という休日も過ぎていく。

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