見出し画像

ドイツでの家購入は投資ではなく消費活動である

学生時代を抜け出して仕事と生活も安定してくると、家の購入を考えてしまいます。

管理の楽さと身軽さの賃貸。
将来資産になり年金問題を気にせず老後も穏やかに暮らせるであろう購入。

賃貸vs購入の仁義なき戦いに私ももれなく巻き込まれています。

暇を見てはチラチラとこちらのサイトを見ていますが「高いな~」とため息。

小都市部近くは土地込みのお隣さん密着で新築約6500万円から、ド田舎なら中古で約4500万円から。うーん、日本と比べても高いですね。
2000万円台の物件は築50年以上、リノベーション必須で追加で1000万円くらいは余裕でかかりそうな雰囲気。

ドイツでも「家賃は無駄」と言われ、将来資産になる持ち家神話は多くの人に信じられています。私も、そりゃどうせ払うなら自分の資産になる家の方がいいな、と思っていました。

そこに切り込んでいくのがKommer氏。
こちらの記事で紹介した投資の教科書の著者です。

YouTuberのFinanzflussさんのインタビュー動画ですが、サムネの通り「購入か賃貸か?」をテーマに熱く語っています。

Kommer氏はドイツの持ち家事情は他のヨーロッパ諸国や世界の先進国と比べても魅力的ではない、と言い切っています。

自分で買った物件に自分で住む、というのは資産形成に有利に働くと思われがちですが、ドイツの45年間の物件指数は平均なんと0です。

画像1

参照元:bulwiengesa-immobilienindex

近年はまた5%ほど上昇していますがこれは雀の涙でしょう。
移民の受け入れが原因か、物件が足りない状況が続いているため「賃貸よりも持ち家購入の方が高くつき損をしてしまう」ようです。

さらに日本内閣府からもおもしろい資料がでてきました。
2000年をもとにして、住宅価格と国民の賃金の増え方を国ごとに比較したものです。
注釈にもありますが、例えば英国で2000年に年収の3倍で住宅を買ったとすると、2007年には住宅価値が年収の6倍に上がったことを示しています。

画像2

参照元:内閣府:世界経済の潮流 年次リスト

右下のドイツのガラパゴスっぷり。住宅価値は横ばいにも関わらず、名目賃金はちょっと上がってますね。他国と見事に逆行しています。

資産形成としての持ち家購入はドイツでは意味がないようです。
家の購入は消費活動であり、Quality of lifeの向上であると分けて考える必要があるようです。

やはり外国人として海外にいる以上、フットワークはそこそこ軽めでいたいので今のところ気楽な賃貸がいいですね。

いただいたサポートで日本産のもの(主に納豆と豆腐)を購入して経済を回します。