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事故日記3

2月8日

仕事も休みを合間に入れつつ、片手なりに出来ることを少しずつ進めている
文字入力やら遠いショートカットが使えずやきもきするし、インプットに費やそうかなと

そんな仕事の真っ最中、親から
「おでん持っていくよ.17時でいい?」と
突然LINEがくる

おでん…
いやおでんは好きなの…だが…

この話には前日談がある

先日両親揃って飛んできたときもだが、
何とか世話を焼こうとする気配があった

心配する気持ちもモチロンわかるが
こちらとしてはなるべく心配させたくないし
年老いた親がわざわざ車で30分ほど飛ばして来て、5分もかからない病院まで送り迎えを申し出て来られても…ありがたいに申し訳なさが勝ってしまうのであった

なのでタクシー使うからと丁重にお断りし
物も人手も足りていると伝え、
強いていうなら、
息子に料理をこの機会に覚えさせたいから、
簡単なレシピを教えて?と言ったところ…

鍋はどう?と。

いやまあ確かに作るの簡単だけど
そういうことじゃなくて…
簡単でまた手軽に作れるような
レパートリーが増えるようなさ…
アドバイスでいいのよ…と思いつつ、

片手で食べるのも、鍋だと難しいし
毎回よそってもらわないといけないしさ

と、、言ったはずなのに、、、
おでん作ってくるんかーい!!!!!

…まあそういう所あるんだよ
知ってたけどさ


ありがたみもある、確かにある
楽だし費用もかからないし

ただそれを超える申し訳なさ
何より
意図の伝わってなさ

して欲しいことより
してやりたいことが勝っちゃってるのに
気づいてなさ…

そして多分、わたしがつくるおでんのがうまい…

実家のご飯は昔から、あんまり、美味しく作ろうという感じがないのだった
優先度合いがコストとか、別のところにあるような…

どう表現したらよいのか…完全にマズイわけでもなく、セオリーを無視しきるわけでもなく、ゴールの手前で減速するみたいなよくわからない所で手を抜くのだった、未だ基準がわからないので言葉にしづらいが…

まあでもそんなこと今さら指摘しても仕方ない…


仕事終わってないうちにピンポンが鳴り、
ガムテープで漏れないようグルグルに巻いたタッパーから大鍋にあけて、家中がおでん臭になる

グズグスに溶けた昆布を「沸騰したらあげて、佃煮とかにする方がいいんじゃないかな…」と菜箸で引っ張りあげながらさりげなく呟いてみたら、「でも美味しくない?」と言うので驚いた

ドロドロに煮崩れた昆布を本気で美味しいと思ってのこと…ではない、多分、自分の行動否定できない人だから、美味しいからやったという言い訳が咄嗟に出てくるんだろうな…

そうなんだよ…
心配してくれてるんだけど…
心配されたら、素直に受け取るしかない、
喜ばなくてはいけないっていう
強制力が働くことが
苦しくなるんだよなあ
肩も痛いし

嬉しさありがたみを沈めてゆく
重たいおでん

大好きな牛すじもタコも餅巾もガンモも
入ってない

手羽中の出汁でドロドロの
栄養と愛?が溶けて沁みたおでんは
すぐにおなかいっぱいで苦しくなった

それでも滅多に揃って来ることも、
家に入ることものなかった両親が
ここ数日で2回も来るなんて
相当心配されてんだなーとは思った

それだけの話

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