バレンタイン絵メイキング
イラストメイキング、昔の記事を読みなおすと成長を感じたり、あるいはずっと変えてない部分を見つけるとそろそろ変えてみようかと意識してみたり、わりと役に立ちます。でも読む人にとって面白いものはない気がする……、特に今回は過去のバレンタイン絵をふり返ったりしてて、無駄に長いです。西の長話が好きな人だけどうぞ。
構想~ラフ1
週報によればバレンタイン絵の構想を練りはじめたのは1月19日あたり。アイデアラフの前に配色を決めている。
企画の最終日がバレンタインデーで、凝ったイラストを描く暇はないことがあきらかなので、小さなポストカード風のものにしようかと考えていた。
ポーター姿のミニキャラが、ラゲージトローリーにチョコをいっぱいのっけて運んでくれるイラスト。ミニキャラなら描きやすいかなと思ったが、映える構図にするためにはフカンにしたりけっこう技術が要りそう。かわいいから描きたい気持ち半分、作業時間がとれそうにないのであきらめ半分。
その後数日、企画用の原稿を描きながら息抜きに別案を考える。もう一つはネタ絵というか、漫画っぽいやつ。(元ゲームはプレイヤーごとにキャラに性格や個体差があるのが許容される世界なので)キャラがバレンタインにどういう行動を取るか四種類くらい描いて一枚のネタ絵として出そうかと。
ネタが微妙にアダルトで実物が出しづらい絵なので、文字で説明したけどわかりづらいですね。とにかく同じキャラを四体描くことにはなるが企画で描いた絵の下書きとかを使い回せそうだし、これは描けるなと見積もった。
で、四体の下書きを描いてみたところ、うちひとつがなかなかいい感じに描けた。これをメインで描くのもいいかもしれない。
ラフ決定
ネタ用の絵を一枚絵にするべく、ラフを作成した。(顔だけ完成してるのは、ネタ絵を描いていたファイルのほうからコピペしてきたからです)
花束をプレゼントしてくれる推し。
余談:過去のバレンタインイラスト
バレンタインイラストを描くとき、女子がチョコを渡す日本式で行くか、男性が花束やカードをくれる西洋式で行くかで悩む。2023年はチョコ渡すほうで、その前がたしか西洋式。
この頃はあんま創作意欲がわかなくて、簡単なカットだけですね。
2021年のバレンタイン絵、彩色や背景とかが微妙だけど(いま見ると彩度はともかく明度にもうちょっと気を配りたかった)、主役二人のポーズやコスチューム、ピンクの使いかたは好き。フラッパードレスは立体的に見えづらいデザイン・素材で難易度が高く、今の技術でも描くのは厳しいだろうな。
今回も日本式西洋式、両方考えてみた結果、推しに花束を持たせたいという欲求から後者にしました。企画のほうで時間がなくて花束を描けなかった悔いもあり。
ラフに話を戻す。
ポーズが単調なのでクッキーを背景に入れてみたが、ないほうがいいかもしれない。たまたまうまく描けたキャラをもってきたので、コンセプトが決まっていない。とりあえず、そのあたりはいったん保留にして人物の下書きを詰める。
ここのあたり(ラフ~線が引けるようになるくらいまで下書きを詰める)の作業がわたしにはわりと一番の山場というか時間がかかるところなのだが、ほかの人はどうなんだろう?
Pinterestをあさったり、写真を撮ったり、ポーズ人形を使ったり、ラフをいったんAIに読ませたり、思いつくかぎりあらゆる方法で資料を集め、ラフに反映させるという作業。
これはAIの問題というより操作している私の無知によるものだと思うのだが、なかなか思うような結果が得られないんだよなー。上の絵だと、ブーケと同化しちゃってるスーツとかはまだ修正のしようがあるけど、男性の右手はサイズが小さく左手は上腕が長く、下書きとしては実用に堪えない。とはいえ、3Dをそのまま置いた花束はわりときれいに出力してくれてるし、服のシワやスーツの色味、影の置き方など参考になる部分もある。参考程度には使えるかなという感じ。
下書き完成
結局、ポーズは写真を撮ったものをベースにして、人物の下書きが完成。
最近気づいたんだけど、この段階でおおまかに影も入れておくと、塗りのとき迷いにくい。たとえば首まわりとか胸の下部とかは大きな影をつけておく。服のシワとかで細かく影を入れるより立体的に見えやすい。
なかなか好みに合った下書きができた。次に線画を描くかどうかでまた悩んだのだが(上のAI絵みたいな厚塗りなら、線画はなくてもよく、このまま彩色に入るルートもある)、配色にけっこう悩みそうだなという予感がしたのでいったんアニメ塗りにすることにして、線画もいちおう描くことにした。厚塗りは配色変えるの大変だからね。
キャラはいったん置いておいて、背景に描く小道具のクッキーについて考える。チョコでもいいんだけど情報が過剰になりそうなのと、文字を入れたいので、クッキーが適当かなと。これもキャラより目立つとよくないので、色や形をあまり変えずに揃えようかな。
これもどういうテイストで描くか、Pinterestで食べもの系のイラストを探しながら煮詰める。それにしても、Pinterestの絵も生成AIが増えましたね。スイーツ系のイラストをいくつか検索してボードにまとめ、それを参考にしつつUnsplashのフリー写真をベースにして、クッキーのスケッチを描いてみる。
だいたい描けそうかなという目算がついたら、キャラがあるほうのファイルに清書する。整った形にしたかったので、ハート型は3Dを利用。
線画
平行して線画を描く。今回は線画が目立つ絵になるので、ペンタッチを変えてみようかと思ったりしたけど結局いつものこれ:
関係ない色でパーツごとに塗りわけてから不透明度を下げて、線画を整える。ベクター線の編集で「線を太くする」「線を細くする」「線をつなげる」あたりをよく使う。輪郭線を太く、服のシワなどは細くという感じです。形のバランスとか細かいパーツの重なりとかがわかりやすくなるので、私は彩色後に線画をやるほうが好き。
右の塗り分けたものはわかりやすいように影のレイヤーを非表示にしたが、実際にはこの段階で影つけも終わっている。
配色
さて、お楽しみの配色。どうしようかな~
デジタルはこれがやりやすいからいいですよね。3パターンほど作ってみて、全体として右端のやつが洗練されて見えるかなと決定した。この時点で、絵に足りないものがありそうだと思ったのでメモしておき、思いついたら適宜加筆する。たとえば、そのキャラらしいモチーフがないので、服か花束のあたりに加えられないかとか。
陰影、加筆
サムネイルで見てだいたいいいかなと思ったら、陰影を整えたり、細かい部分に加筆していく。根気がいる小物からやった。人物が仕上がってしまうと、小物に手を抜きがちなので……。
そしてこのあとの記録がぜんぜんない。今回はあんまり凝った彩色ではないので、いいですか? ふつうのアニメ塗りです。
試してみたい塗りはいろいろあるのだが、今回は時間がなくて……。
上から大きく「加工」「加筆」「陰影」「線画」「彩色」「背景」のフォルダにすることが多いです。今回は単純な絵なので陰影フォルダはなし、彩色のフォルダにクリッピングしてる焼き込みリニアのレイヤー一枚で影全部描いてます。楽だから……
パーツごとに一色で塗って、シャツとか面積が大きいものは軽くグラデーションをつけて、全体のバランスを観ながら影やハイライトの明度をいじったりという感じ。彩度についてももうちょっと気を配れればよかったな~
加工
加工はグラデーションマップ、水彩紙テクスチャ、ノイズの三種類を載せています。
文字入れ
クリスタでももちろん文字は入れられるんですが、今回はCanvaで文字入れしました。無料で使えるフォントがクリスタより多いんですよね。バレンタインで検索してそれらしいポストカードの文字だけ借ります。操作はコピペだけです。
完成
完成です! 長話にお付き合いいただきありがとうございました~!
追記:
ちょっと加筆版
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