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右と左と現実と夢想

本日は娘の1ヶ月検診でした。
無事、大きな異常は無かったのと、周りの子供と比べてもスクスク育っている様で安心しました。
さて、本日読み終わった本は、齋藤孝氏の「質問力」である。
読み物としては面白いし、紹介されている技術についても爾後使ってみたいと思うものも幾つかあったので収穫はあったのかと思う。
残念なのは、具体例のエピソードを紹介してくれるのは良いのだが、最終的に手法を体系的に整理はしてくれていないので、エピソードの記憶に寄ってしまい、手法そのものの理解がボヤける様なイメージがある。
繰り返し読みや精読、終わった後で目次を復習でもすれば良いのだろうが、乱読をしている身からすると少しツラいものがあった。

さて、本題はまたもや読んでいた本とはあまり関係のない話題である。
が、たまたま上記の書籍でよく使われていた思考の整理法を使った話題を書こうとしていたことから、非常に個人的な面でタイムリーな本ではあった。
その思考の整理方法とは、物事を二軸四象限で考える方法である。
言葉で書くよりも図示した方が分かりやすいだろう。

物事を二軸のグラデーションで考えることにより、具体的な事物を二次元的に整理し、関係性を明らかにする手法である。
先に図を出したので、若干ネタバレ感は強いが、今回の話題は政治思想の分類の話である。
先程グラデーションと述べた様に、程度問題はあるにせよ、現代の政治思想は基本的にこの平面上に載ってくると考えている。
まず、横軸は保守的か革新的か、の軸である。
保守にいくほど、伝統を重視し現状維持する傾向が強くなる。
革新にいくほど、最新の理論等を重視し現状変更を指向する傾向が強くなる。
保守は所謂、右翼や原理主義者が含まれ、革新は左翼やリベラルが含まれる。
次に縦軸には、私は現実主義から夢想主義までの軸を設定した。
現実主義とは、いま現在この場所で起こっている問題に如何に対処するべきか?に重点をおく思想だと定義する。
夢想主義とは、現実は取り敢えず置いておいて、夢物語の理想のあるべき姿を追求する思想だと定義する。
試しに、現実の政党でそれぞれどの象限に当てはまるかを考えてみたい。
・現実主義×保守的:自民党
・夢想主義×保守的:日本第一党、保守党、参政党
・現実主義×革新的:維新、国民民主
・夢想主義×革新的:共産党、社民党、れいわ
こんな感じではなかろうか?
言い訳だが、立憲や公明党、N国の立ち位置は若干微妙なので省いた。
頑張ってねじ込めないことはないんだろうけども…
それぞれの象限の特徴についても検討してみたい。
・現実主義×保守的:温故知新的な旧来の制度や価値観を基本として、現実的な問題を着実に解決しようとするタイプ
・夢想主義×保守的:古い価値観を原理主義的に信奉し、現実から目を逸らすタイプ
・現実主義×革新的:新しい理論を活用しながら、現実的な問題の解決を目指すタイプ
・夢想主義×革新的:現実を無視して、良さげな理論にダボハゼの様に食い付いて、現実的な問題からは目を逸らしたり逃げ回るタイプ
これを考えると、私は普段左翼嫌いを公言しているものの、真に嫌いなのは夢想主義者なのではないか?という気付きも得られた。
そりゃあ、世界は平和になればいいだろうし、貧富の差も良い意味で無くした方が良いだろう。
そのためのアプローチとして、現実を無視したアプローチはありえないのである。
世界を平和に!と大声で叫んで世界平和が実現すれば苦労しないし、貧富の差を無くそう!と叫んで富が公平に分配されれば苦労しないのである。
もっとも、資本家を絞首台に送り込むのが現実的な解決策だ!として、それを実現した共産主義国もあるにはあるのだが…
それは一応は革新的現実主義者になるのだろう、笑えないが…
さて、先ほどの政党の分類においては点として各党の主義を振り分けたが、面的に分布するという考えに拡張することも出来るかもしれない。
例えば、先日の記事で言及したナチスなどは、実行した経済政策は革新的現実主義なものであった。
一方で思想的なものは保守的な民族主義者のそれであった。
とすると、それらにまたがる様にナチスの思想や主義が分布する、と考えることもできるかもしれない。
次は、時間の概念の導入である。
例えば、私などは現在の政治的立ち位置は明らかに保守的現実主義者である。
しかしながら、遠い将来を見通す思想としては、革新的夢想主義者である。
実際問題、保守にせよ革新にせよ、現実主義に基づかなければ、現実の問題に対処することはできない。
そのため、今今の政策を任せる政党として夢想主義者の政党は論外である。
将来については、今今の政策を積み重ねる現実主義的アプローチと、将来を見据えてあるべき理想に向かって政策を策定する帰納的アプローチの両方が考えられる。
現在の現実主義における保革や、将来に対してどの象限のアプローチを取るかは、個人の考えや好みに依るもので良いと思う。
その中で議論を積み重ねて、なるべく良い現実と未来を手に入れられるようにしたいものである。

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