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ホウレンソウ

先ほど読み終わった本は、畑村洋太郎氏の「危険学のすすめ」である。
これは、以前紹介した「失敗学のすすめ」の続編的な立ち位置である。
ただ、この本は事例研究がメインの本になっているので、モノづくり(特に危険を包含するもの)に関わる人以外は「失敗学のすすめ」を読めば事足りるのではないかと思った。

さて、今回も読んでいた本とは関係ない記事である。
ホウレンソウというのは聞いたことがあるだろうか?
そうそう、あのえぐみのある野菜ね!
まぁ、それ自体は別に間違ってないのだが、今回はその話ではない。
報告・連絡・相談のことである。
ビジネス用語としては既に定着した感がある言葉であるが、今回はこれについておさらいする記事としたい。
これらは、業務上のコミュニケーションを取るための手段である。
報告とは、部下から上司であったり、下請け会社から元請け会社だったり、サービス提供者から顧客だったり、(異論はあるかもしれないが一般的に)下から上方向に対する伝達を言う。
報告については、客観的・必要十分・合目的性のある情報伝達が大切である。
大体の報告相手というものは多忙であるので、報告においては、努めて短時間で、かつ認識の齟齬を生まない様な表現に着意する必要がある。
ただ、顧客への説明に関しては、少し丁寧めにするのは状況により必要ではあるかもしれない。
報告にも、定時報告、完了報告、状況報告、非常事態発生時の報告等、色んな種類がある。
これらの目的に応じて、適切な報告要領に習熟することが必要になるだろう。
連絡は、それ以外の方向における情報のやり取りである。
ただ、上から下に関しては指示や命令として別枠を設ける場合もある。
これについては、主に横の認識共有のための情報のやり取りである。
多少めんどくさかろうが、認識の齟齬を起こさない様に綿密にやる方が良い。
特に、ステークホルダーが多くなる場合には、しっかりと認識統一をしておかないと、思いがけないトラブルに発展する。
人間とは往々にして自分の都合が良い方向に思い込みを持ちやすいため、希望的観測に陥る前にしっかりと連絡を使って確認を取ることを習慣づけたい。
さて、最後に相談であるが、これはどの方向にも使える。
困りごとや判断に迷う時に、その知見がある人や上司なんかに話を聞いてもらったり、アドバイスをもらったりする時に使う。
報告連絡は多少後回しにしても良いが、基本的に相談は(よっぽど危機的な場合は除くが)優先的に乗った方が良い。
大体相談がある時は手に負えない困りごとがある時である。
それを放置してしまうと、取り返しがつかない状態になってから蓋が開く事になりかねない。
聞いてから、ヤバくなさそうなら後回しにすれば良いだけなので、聞くだけは最優先でやりたいものである。
それを逆手に取って、報告できる状態じゃないけど手も足も出ないとか、方向性が合ってるか自信がない、という時に、本来報告するべき相手に対して相談という形で持っていくという裏技もある。
基本的には相談に対しては怒ってはいけない、というのが原則なので(たまに守らない人もいるが…)、仕事の話を和やかに進めたい時に使えるテクニックである。
もちろん、上司側は相談に対しては真摯に、かつ穏やかに対応する必要がある。
ホウレンソウを部下だけに求める職場があるとは聞くが、上司側にも求められるものは多いということをしっかりと認識しなければならない。

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