一輪の花を携えて、彼女の元へ
名前の知らない小鳥が、花をじっと見ていた。小鳥なのだから、その花もやはり小さい。タンポポだ。人間の子供というのも、タンポポが好きだろうが、かくいう私は、今でも好きだ。
多くの鳥は、小枝や泥を集める。他でもなく、巣作りのためだ。しかし、タンポポの、しかも、その花をついばむというのは理解できない。
やはり、あれだろうか。人間も小鳥も、生活は違えど住む世界は同じだ。一輪の花を携えてあの人、いや、あの鳥のもとにゆくというのなら、これ以上のお邪魔はしないさ。健闘を祈るとしよう。
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