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枝が曲がった理由は、ひねくれものだったから
進化論というのがある。生物は、その環境に適応した個体が種を残していった結果、例えばキリンのように首が長くなったりする、というものだが、果たしてこの植物は、この定説からすると、どう推して考えることができるか。
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現実的な線で行くと、多種多様な植物がその四肢を無縁慮に広げるうっそうとした森の中、その厄介者をかいくぐる強者たちにのみ、種を落とす命が与えられ続けた、というところか。
しかし、私にはこの手の現実的な推測は合わない。よって、奇天烈な案を出してみる。
この木はかなりのひねくれものであった。とにかく周りの木々がまっすぐに枝を伸ばすので、単に、朱に染まるのを嫌って枝をぐにゃりと曲げたところ、図らずして現代まで生きおおせてしまった。
そう考えてみると、特異な寛容から、計り知れない叡智を感じさせるこの木も、案外他よりのほほんとして見えてきた。
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