伊那谷日記①〜始まりは雨の日に
雨の朝。
アルプスは南も中央も雲をまとっているが、ところどころ頂が見えている。
伊那谷に越してきて2ヶ月、雨の静けさもまた好きである。
静けさと言っても音が無いわけではない。しとしと雨が降っていても、明け方にはカッコウが鳴いているし、屋根の上のスズメ達は今日も元気だ。
濡れたアスファルトを走る車の音はいつもより響いているし、家の中の電化製品もいつもより大きな音に感じる。
今はまだ外で仕事をしていないので、自由に使える時間がたくさんあるのに、うまく使えず、ずっと時間の無駄遣いをしている気分。
2つのアルプスの間に長い長い時間がうず高く積みあがっていて、その重さが体にまとわり付いてくる。
本来贅沢であるはずの何もしなくていいこの時間が無駄にならないよう、今日は筆をとってみた。
何かしらの一歩になるように願って。
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