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フェラして慰謝料500万請求された話

高二のときの出来事です。
そのとき、私にはセフレがいました。
彼は同じ高校の三年生で、バドミントン部に所属していたもののあまり部活動には顔を出さず、真面目な生徒とはいえない人でした。私は彼の容姿が好きでした。眉が濃く、平行二重で中顔面が短く、顎がしっかりしている。いわゆるソース顔です。そしてなにより、ガタイが良い。平均以上の身長がある私にとって、横に並んでも自分の大きさが気にならないことはかなり重要で、惹かれるポイントでした。
彼とそういう関係になったのは本当に些細なことで、ペットショップで偶然彼を見かけたんです。6月の暑い日でした。あまり話したことがなかったので最初は知らないフリをして誤魔化しましたが彼とよく目が合うので思い切って話しかけることにしました。
「先輩なんでここにいるんですか」
焦って口にした言葉はなんとも気持ち悪く、やっぱり話しかけなければよかったと思いました。
「うち猫飼ってるから」
その一言だけ帰ってきました。
「えーそうなんですね。あたし猫めっちゃ好きです」

「猫見に来る?」

「行きたいです」

本当に猫が見たかったし、先輩ともっと話したくてそう答えてしまいました。

先輩の車に乗って先輩の家に行きました。うちの学校は車の免許取っちゃダメなのに平気な顔で私を車に乗せました。特に口止めとかもせず、当たり前のような顔ですましているから少し腹が立ちましたが、隣でハンドルを切る彼を見てやっと自分の危機を実感し怖くなりました。男の人の家に行ったことなんてありません。男の家にあがることは性行為してもいいよという暗黙の了解があることを私は知っています。このままではまずい。もしかしたら、そういうことになってしまうかもしれない。かなりまずい。無駄毛を剃ってないこと、腕に自傷痕があること、挿入に抵抗があること、懸念点があまりにも多い。でもいまさらやっぱりやめるとも言えないし、言う間もなく2分程度で彼の家に着きました。
彼は「ちょっと待ってて」とだけ言い私を車に置いて行ってしまいました。部屋を片付けてるんだろうなと思ったのですが、変に長い。もう30分も待たされている。忘れられてるんじゃないかと変な汗が出てきました。このまま夜になったらどうしよう。性格もよく分からないのについてきちゃったあたしがバカだった。そんなことをぐるぐる考えてたら彼が来ました。「もういいよと」だけ言って。良い香りがしました。多分シャワーまで浴びてたんだと思います。かなり腹が立ちましたが、彼のヤル気を見せつけられとても困りました。困り果てました。家に足を踏み入れたら最後なんだと、でも帰りたいと言ってすんなり返してくれるような人じゃないことはこの短い時間でなんとなく分かったし、家に上がるしか無かったんです。
玄関からではなく、部屋の窓から入れられました。悪い意味で男臭い部屋でした。そして獣臭。猫がちゃんといてそれだけがホッとしました。私は指定された場所に座って部屋を見渡しました。戦車のプラモやバドのシューズやもう使われてない学習机や腹筋ローラー、タバコがぎっちり詰まったジョッキ、ちょっとだけ残ってる天然水のペットボトル、踏み潰した跡があるセブンスターの箱の隣にラッキーストライク。Switch。本当に男臭い。
でもひとつだけ臭くないものがありました。アナスイの香水です。この人が香水をつけるとは思えません。きっと元カノが置いていったのでしょう。

「これ、気になってたやつだ」

「じゃあ手貸して」

彼は自分の手首に香水を吹きかけ、私の手首を掴み擦り合わせました。私はこの高等なテクニックに驚愕しました。あまりにも手慣れている。恐ろしい男だ。私はしばらく声が出ませんでした。


「あー眠い」
彼が一言だけ言いました。会話する気があるのかないのか、全然気を使ってくれない話し方に腹が立ちましたが、かっこいい顔がすぐそこにあってどきどきして腹を立ててる場合じゃありませんでした。

「寝たらいいんじゃないんですか」

「俺抱き枕がないと寝れないんだよね」

部屋に抱き枕がないのによくもまあそんな事が言えますこと。言い分に感心して、いいよと言ってしまいました。

そこからはすぐに始まって、なんとか着衣で無駄毛を誤魔化して、自傷痕のことと挿入が怖いことを伝えると意外とすんなり聞いてくれました。無理矢理ということはなく、意外にも紳士的な対応でした。

それからは何回かそういうことをしました。冒頭で「セフレ」と表現しましたがセックスは一度もしませんでした。


9月のある日、いつもの通り彼の家でそういうことをしていました。
「バキュームで抜いて欲しい」
彼が一言だけ言いました。行為がマンネリ化してきて私自身ちょっとつまらないなと思っていたところなので、そういう要求を少し嬉しく思いました。絶対満足させたい。最大限の力で吸引しました。夢中でうわーっというかんじで、すごく音を立ててしまっていたかもしれません。それも分からないくらい必死でうわーっというかんじで、彼もうわーっというかんじでした。とにかく必死でした。












そして抜けました。


















彼のちんこが抜けました。










私は怖くて逃げました。それ以降は覚えていません。


裁判になりました。負けました。

過失フェラ罪慰謝料500万円


私は自分の力を見誤って地獄を見ました。
自分の隠された才能は自分の身を滅ぼすこともある。この世にあってはけない才能だったのです。


みなさんは私のように悲しきギフテッドにならないよう気をつけてくださいね。
開花させなくてもいい才能があること、忘れないでください。



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