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カメムシについて

虫の写真が出てきます。苦手な方はお引き取りください。



虫に感情はあるのでしょうか。

我々人間には感情があります。
動物にも、怒りや悲しみ、喜びなどの感情を感じます。実際、動物に感情はあると証明されています。

それでは、虫に感情はあるのでしょうか。
調べてみると、現時点で虫に感情があることは証明されていません。10年以上前のページでは、虫には感情も痛覚もないと記載されています。しかし、最近になって虫にも痛覚や感情があるのではないかと言われているのです。
現在、食糧難が危惧される中、昆虫食の研究や販売が広まっています。今後昆虫に感情があると証明されたなら、昆虫食の形はどう変化するのでしょう。虫に対して倫理や福祉が適応される時代が来るかもしれません。



さて、みなさんは虫に感情はあると思いますか?私はあると思います。そのきっかけになった体験談をこれからお話ししましょう。


それは中学2年生のときのことです。9月頃でしょうか。暑かったことを覚えています。

土曜日の部活中。裸足で雑巾掛けをしていました。そのときです。ブチっ。なにか踏んでしまったのです。恐る恐る足裏を見てみると少し潰れたカメムシがいました。気絶しそうで、ショック死しそうで、とにかく不快でした。涙目で顧問に「足洗ってきます」と伝えました。私は罪人か?なぜ私がこんな目に遭わなきゃいけない?なぜ?どうして?泣きながら足を洗いました。私が踏んだカメムシは既に死んでいたのですが、それでも臭いは強烈で石鹸で洗っても洗っても臭いが落ちませんでした。臭いが染み付いて、染み込んで、私の中へ侵入しているのではないかと思うほど、臭いが私から離れないのです。もういっそ足を切り落としてしまいたい。それほどに苦痛でした。
ああ、そうだ。祟りだ。カメムシの祟りだ。

遡ること1時間前。

私は家でバタバタと部活の準備をしていました。起きて、朝ごはんを食べて、飲み物とタオルを準備して、歯を磨いて。着替えるために部屋に入って、窓にカメムシがいました。ああ、最悪だ。私はカメムシが本当に苦手なんだ。ビジュアルが気持ち悪すぎる。しかも悪臭を放つというスキルを持っている。ブーンと飛んで天井にバチっとぶつかってはブーンと飛んで、飛行スキルが乏しいところがまた恐ろしい。まるで暴走列車じゃないか。捕獲するのは気が引けるが、こんな奴を野放しにしてはいけない。私は急いで養生テープを使ってカメムシを捕獲しました。テープで閉じ込めれば臭いもないし動けもしない。完全に私が勝った。私が優位に立った。私はテープに閉じ込められたカメムシをタンスの角に軽く叩きつけました。本当に軽ーくです。潰れると嫌なので軽く、しかし怒りを込めてペシペシと2回叩きつけてそれからゴミ箱に捨てました。

私が朝、カメムシを痛めつけたから、祟られてしまったのです。この事実に気づいたとき、背筋が凍りました。呼吸がヒュウヒュウと荒くなり、涙が溢れ、恐怖と怒りで頭の中がぐちゃぐちゃになりました。
しかし部活は続いている。どうしようもなく、私はカメムシのことを忘れようと部活を再開しました。



このときから、私はカメムシが恐ろしくて仕方がありません。感情とかそういうの以前に、人間にはない理解しようのない不思議な力が虫にはあると思います。
特にカメムシにはそういうものを感じます。禍々しい。彼らは気配を消して私たちの手の届くところに潜んでいます。あちらから私たちに接触しようとしてるんです。これは確実になにか思惑があるのです。カメムシは1匹1匹個体として存在していますが、意識はひとつ。個体に感情があるのではなく、ひとつの意識を個体それぞれ共有しているように感じます。人間が「感情」としているものが虫にはないかもしれません。「感情」という言葉で表せない、「感情」よりももっと複雑ななにかを持っているように思います。きっとそうです。

虫は恐ろしいです。カメムシの他にも恐ろしい虫はたくさんいます。どうか、みなさま、虫にちょっかいをかけないでください。触らぬ神に祟りなしですよ。
虫と我々は意思疎通が出来ません。身体能力は虫が遥かに上です。我々が頭脳で対抗しようとしても、それを凌駕する力が虫にはあります。そもそも、我々の頭脳が彼らに勝っているのかも定かではありません。我々と彼らはあまりにも違いすぎる。

本当に気をつけてください。
虫には気をつけてください。
人間であることを驕らないでください。

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