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古典文学お手軽読本その2 源氏物語編

はじめに


 大河ドラマで、紫式部が取り上げられていますね。話の展開はちょっと「うーん」て感じですが、今まで読んできた源氏物語関係の本を紹介します。本屋さんにも源氏物語関係の本が置かれているのですが、自分の読んだ本はなぜかあまり置かれていないですね。

1.現代語訳

◎『源氏物語(全十巻)』
 瀬戸内寂聴:訳 講談社 講談社文庫
(今、少しずつ読み進めている本です。各巻ごとに「源氏のしおり」ということで、物語の内容、紫式部の生涯、各帖のあらすじや読みどころ、系図等も載っています。)

◎『ビギナーズクラシックス 源氏物語』
 角川書店:編 KADOKAWA 角川ソフィア文庫
(源氏物語が、一冊で読めてしまうのがよいです。有名な文章は大体出てきて、用語の説明もあって全体の流れもよくわかります。)

◎『わたしの源氏物語』
 瀬戸内寂聴:著 集英社 集英社文庫
(源氏物語は、女人の物語であるとの視点で、女性の生き方を中心に物語を解説しています。小説家としての紫式部の、文章表現の手法についても解説しています。これ一冊で、源氏物語の大まかな内容を知ることができます。)

◎『藤壺』
 瀬戸内寂聴:著 講談社 講談社文庫
(源氏物語には、『かがやく日の宮』という帖があったという説があり、その部分を著者が想像して書いた小説です。光源氏と藤壺のいとなみが中心の内容です。)

2.漫画

◎『あさきゆめみし』(全七巻)
 大和和紀:著 講談社 講漫画漫画文庫
(もう定番。漫画で、源氏物語のすべてがわかるという、優れものの本です。)

◎『源氏物語』
 牧 美也子:著 小学館 小学館文庫
(大人向けの源氏物語の漫画です。子供には、ちょっと刺激が強いかもしれません。)

◎『マンガ古典文学 源氏物語』 上中下全三冊
 花村えい子:著 小学館 小学館文庫
(少しじれったくなるような描き方です。歌を中心に展開しているのですが、絵とうまくかみ合っていないし、歌の訳が変なところに出ていて、読みづらいです。もう少しその辺のレイアウトをしっかりして欲しかったです。)

3.解説本


◎『ちかみち 源氏物語』
 橋本千恵:著 学習研究社 学研M文庫
(Q&A方式で源氏物語の大まかな内容がつかめるという本です。用語の説明もあって、源氏物語を大枠でつかむには良い本だと思います。)

◎『世界一わかりすぎる源氏物語』
 『源氏物語大辞典』編集委員会:著 角川学芸出版 角川文庫
(源氏物語の本文は全く出てきません。あらすじのみで、用語の説明とイラストとコラムで構成されていて、わずか200ページで源氏物語を読んだ気になれるという本です。最後の「年立」の所がよくできています。)

◎『読み解き 源氏物語』
 近藤富枝:著 河出書房新社 河出文庫
(源氏物語をいろいろな視点から分析していて、面白い本です。)

◎『紫式部の欲望』
 酒井順子:著 集英社 集英社文庫
(源氏物語は、紫式部の欲望によって書かれたということです。)

◎『寂聴と読む源氏物語』
 瀬戸内寂聴:著 講談社 講談社文庫
(これは、徳島県立文学書道館での講義を活字にしたものです。それぞれの女性がプライドを持って生きていたんだ、というテーマで述べています。何か登場人物が実在の人物みたいですよね。)

4.紫式部の生涯

◎『紫式部物語 その恋と生涯』(上下全二冊)
 ライサ・ビルダー:著 岡田好恵:訳 光文社 光文社文庫
(紫式部の生涯を描きつつ、源氏物語がどのようにして書かれていったかを書いています。よく考えて書かれた小説です。最後に『浮舟』の続きが書かれています。なるほど。)

◎『散華 紫式部の生涯』(上下全二冊)
 杉本苑子:著 中央公論新社 中公文庫
(紫式部の幼少の頃の話が多くて、しかも紫式部はなかなか出てきません。後半になって源氏物語の話が出てきます。幼い頃の和泉式部なども登場しています。)

◎『紫式部ひとり語り』
 山本淳子:著 KADOKAWA 角川文庫
(紫式部の生涯を知る上で、すごくよく調べて書いている本です。紫式部日記、紫式部集、御堂関白記、権記、古今和歌集などいろいろな資料から事実を積み上げて、紫式部自身が語り口調で生涯について話すという内容になっています。)
 
◎『小説 紫式部』
 三枝和子:著 河出書房新社 河出文庫
(紫式部の本名は香子(かおるこ)であるとのことで、話を進めています。宣孝どのとの結婚では、宣孝どのは越前まで迎えには来なかったようです。道長との関係についても、文殿の整理の役目を与えられているので、そのあたりから話が進むのかと思いきや、単に強引に進められる形になっていて、そうですかという感じではありました。内面とかはしっかり書けていると思いました。)

5.紫式部日記


◎『ビギナーズクラシックス 紫式部日記』
 山本淳子:著 KADOKAWA 角川ソフィア文庫
(紫式部日記とは、紫式部の宮仕えでの成長の記録であるとのことです。当時の服装についての解説があって良いです。結構、人々の服装や色の記述が多いので、その点がわかりやすいです。)

◎『紫式部日記・和泉式部日記』
 与謝野晶子:訳 KADOKAWA 角川文庫
(この本は、最近本屋さんで見つけました。令和5年に出ています。源氏物語だけでは無かったのですね。栄華物語も訳しているそうなので、それも角川文庫から出して欲しいですね。ビギナーズクラシックスと並行して読むことをお薦めします。)





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