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古典文学お手軽読本その13 今昔物語集編

はじめに


 芥川龍之介先生が有名ですが、この本の内容を題材として小説が書かれたりもしますね。講談社学術文庫から現代語訳の本が出版されまして、古典文学お手軽愛好家としましては、すべて読めるのは喜ばしいことです。しかし、全部読むことはこんなに大変なことなんだと、今は思っています。
 話は変わりますが、同じ講談社学術文庫から『宇治拾遺物語』の全訳注の本が出版されたのですが、あまりにも分厚くて、しかも二
冊に分かれていて、とても持ち運びできる代物ではありません。欲しかったけど、買う気にはなれない本でした。講談社学術文庫の関係者がこれを見ていたら、検討して欲しいです!『宇治拾遺物語』の現代語訳だけに再編集して、再出版してください!それだったら、私は絶対に買います! ぜひ、お願いします!!

1.現代語訳


◎『ビギナーズクラシックス 今昔物語集』
 角川書店:編 KADOKAWA 角川ソフィア文庫
(今昔物語集の大まかな内容をつかむには良いと思います。でも、量が少なくありませんか?)

◎『今昔物語』
 福永武彦:訳 筑摩書房 ちくま文庫
(155編と、現代語訳の本では多めです。まあ、これを読めば、今昔物語集は大体どんな内容の本なのかは分かりますね。)

◎『今昔物語集編 本朝世俗編 全現代語訳』(上下全二冊)
 武石彰夫:訳 講談社 講談社学術文庫
(以前、旺文社文庫から出版されていた内容のうち、現代語訳部分と注のみに再編集したものです。本朝世俗編がすべて読めます。旺文社版は、古本屋で結構探したのですがなかなかすべて見つからなくて、この本が出版されて、感激しました! ありがとう! 講談社学術文庫さん!)

◎『今昔物語集 天竺編 全現代語訳』
 国東文麿:訳 講談社 講談社学術文庫
(以前、講談社学術文庫から出版されていた、『今昔物語集(一)~(五)全訳注』の現代語訳と語釈のみ再編集した本です。釈迦を始め出てくる人が、みんなスーパーマンのようで、読み進めるのが大変。読むのに、体力が必要です。)

◎『今昔物語集 震旦編 全現代語訳』
 国東文麿:訳 講談社 講談社学術文庫
(以前、講談社学術文庫から出版されていた、『今昔物語集編(六)~(九)全訳注』の現代語訳と語釈のみ再編集した本です。これもまた、すごい人ばかり出てきて、なかなか読み進められません。)

2.解説本


◎『今昔物語集の世界』
 小峰和明:著 岩波書店 岩波ジュニア新書407
(今昔物語集は、著者も分からないし、謎が多い本であるとの視点から解説しています。
 話は変わりますが、この岩波ジュニア新書は、新刊本でもあまり本屋さんに置いて無いことが多いです。主に高校生向けに、その道の専門家がわかりやすい言葉で書いているので、非常に読みやすくて良い本が多いです。もっと、みんなに読んで欲しい本ですし、本屋さんに置いて欲しい本が沢山あります。)

3.漫画


◎『今昔物語』(上下全二冊) マンガ日本の古典8・9
 水木しげる:著 中央公論新社 中公文庫
(このマンガ日本の古典シリーズの中で、最高傑作といえる本です。今昔物語集がリアルに漫画化されていて、非常に面白い本です。漫画なんて、という人にも是非読んで欲しい本です。)

4.小説


◎『もろさわようこの今昔物語集』 わたしの古典シリーズ⑪
 もろさわようこ:著 集英社 集英社文庫
(今昔物語集は男の視点から書かれた本と言うことで、女の視点から見た物語に、書き直した物語です。)

◎『田辺聖子の今昔物語』
 田辺聖子:著 KADOKAWA 角川文庫
(田辺聖子さんらしく、面白おかしい内容の話を題材に書いています。)

◎『寂聴 今昔物語』
 瀬戸内寂聴:著 中央公論新社 中公文庫
(今昔物語を題材にしている小説は、本朝世俗編が中心のものが多いのですが、この本では、天竺・震旦編を題材にしたものも入っています。)

◎『鬼に食われた女 ~今昔千年物語~』
 坂東眞砂子:著 集英社 集英社文庫
(今昔物語集から、女性を中心とした内容の、怖い話が題材になっています。)

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