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『見えがくれする都市 [江戸から東京へ]』 / 槇文彦 他(鹿島出版会 SD選書)

幕張メッセや横浜アイランドタワーなど、数多くの建築を設計した建築家、槇文彦による本。
東京の街並みには、江戸の頃から続く、文化的・歴史的背景が見え隠れしている。道の形状や建物と自然の配置、建築の正面のデザインや間取りに至るまで、日本人独特の思想を見出すことが出来るのである。すなわち、日本の住宅や街並みの重層感、そして求心的な奥なる空間の存在は、西洋の中心思想と対を成し、空間に深さ、精神的な奥性を見いだす文化を反映しているのである。槇は、西洋化が進む現代の東京に暮らす私達に、今なお残る町並みや住宅の根底に存在する日本の文化を再確認させる。(T)

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