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血が出やすい

鋭利でないもので怪我をしやすい。そういう家系ってあるんだろうか。あるような気がする。

ネシ夫(6)が右手の指尖球と指の腹に絆創膏を貼って帰ってきた。私に似て危険なものには近づかない性格で、絆創膏を貼るような怪我はこれまでほとんどしたことがないだけに、珍しいなと思う。

本人に尋ねると「4時間目の授業で写真を触っていたら切っちゃったの」と言う。写真で手を切るなんてことがあるだろうか。ポテトチップスのパッケージなどに「開け口で手を切らないようご注意ください」のような注意書きが必ず書いてあるけれど、あんなので手が切れるんだろうかと思う人がほとんどだと思う。写真で手を切るとはそれに近いか、写真にはそんな注意書きはないので、あるいはもっと稀なケースなのかもしれない。

絆創膏を剥がすと、異様な厚みの割と深い傷で、たしかにそれは写真の厚みと一致しそうな雰囲気だった。そして連絡帳にはネシ夫から聞いた通りのことが書かれていて、本人の思い違いではないことが判明した。どうやら本当にそうらしかった。写真なんかで手を怪我する生徒がいるとは、先生も相当慌てたんじゃないかと思う。

そこで私にも思い当たることがあった。比較的鋭利ではない、普通に使えば安全に違いないものでケガをした記憶が確かにある。例えばカレーを食べているときにスプーンで口の横を切ったり(※口角炎ではない)、安全性が謳われている角質取りの商品で当たり前に流血したり、髪の毛が指に刺さったり(※ふにゃふにゃの猫っ毛なのにもかかわらず)、そんなもので切れるわけないと思うようなものでたまに怪我をする。

包丁では日常的に料理中たくさん怪我をしているので、単に不注意であるともいえるけれど、鋭利でないものでの怪我はちょっと性質が違うように思う。

それはどういうことかというと、切られる側の心構えなのかなと思う。子供のころ格闘漫画のような何かで見た、湯飲みを指で突いて穴を開けるという技の真逆のような。隙がありすぎて、鋭利でないものが相手でも「どうぞ」と切らせてしまう。切れやすい状態というのは柔らかい面ではなく、むしろ硬い面だったりするんじゃないだろうか。

私もネシ夫も運動能力がとても低い。ネシ夫は新版K式で運動の評価が40点以下だったことがあるし、私は体育の成績で1を取ったことがある。運動が苦手ということは、もしかするとミクロな表層の細胞の状態のあり方とも関係あるんじゃないかと、あまり科学的ではない話ではあるけれど、感じたという記録を残してみたいと思う。







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