フランス流!? ザ・男の子育て
私がフランスに来たばかりの頃、ベビーシッターとして3年働いていた。
共働きが普通のフランスでは、ベビーシッターがかなり普及している。3歳以上の子供なら免許を持っていない普通の学生でもベビーシッターとして働けるのだ。
私が3年間ベビーシッターとして見ていた兄弟も、あっという間に大きくなった。
始めた当初は弟が3歳になったばかり、お兄ちゃんが8歳だった。
この家族が少し遠くに引っ越してしまったので、もうベビーシッターはしていないが、時々家に招いてくれて一緒に食事をする。
ベビーシッターをしなくなっても、連絡を取り続けている人は私しかいないらしく嬉しい限りだ。
この家庭は、子供が小さい時から両親が共働きだ(フランスでは普通)。
両親が育児・家事をきちんとシェアしている。
この間、遊びに行ったら思わず笑う光景を見た。
リビングでお父さんが上の子(13歳)にスペイン語と英語の宿題をやらせていた。
下のおチビ(8歳)は車が大好き。どんな車種も覚えていて、道を通るどの車でも言えるくらいのクレイジー。お兄ちゃんがブツブツ言いながらお父さんの横で宿題をしているときに、リビングにあるパソコンで車の情報サイトを見ていた。
おチビ「パパ!イギリスのどこかで車のレースがあるって!見てみて!」
お父さん「うーん、ここからじゃあよく見えないなあ。」
お父さんが座っているソファとパソコンの距離は3メートルくらい。
おチビ、考えて、邪魔になってそうな椅子を移動。
おチビ「これで見える?」
お父さん「いや、見えないなあ。双眼鏡を持ってきてくれ。」
私「!」
おチビ「わかった!!」
リビングにある戸棚から双眼鏡を取り出し、お父さんの所へ持ってきた。
お父さん「お〜よく見える!本当だな、イギリスで夏に行われる大会らしい。」
このお父さんは、自分はソファから一歩たりとも動くことはせず3メートルの距離で双眼鏡を使い、おチビの質問に答え、上の子の宿題を見ていた。
私にはない発想だ。
これが男の子育て法か。笑
料理好きなお母さんは、その間誰にも邪魔されずにルンルンとキッチンで夕食を作っていた。
※この文章は自身のブログの記事( www.franceimagebuchikowashi.cfbx.jp/ )を編集したものです。