フランスの庭づくり、家庭菜園が大人気
夏のバカンスシーズンに突入したフランス。アフター・コロナといえども、フランス人はもちろんバカンスに出る。今年は田舎の家でゆっくり過ごすという人も多い。そして、今年はフランスでも庭づくり人気が再燃している。
庭づくりに回帰するフランス人たち
コロナ禍での外出制限中、10人に6人、つまり半数以上のフランス人が庭仕事に勤しんだという調査結果がある。大きな庭も小さな庭も取り混ぜでではあるが、庭を持つこと自体は特別ではないライフスタイルの選択肢であると言っていいだろう。
都市部では特に、元々生活の中で植物に触れ合える機会は少ないが、家に籠らざるを得なかった外出制限期間中には公園も閉鎖されてしまい、庭のあるなしは生活の質を左右するほどのファクターになった。緑に触れることはストレスを軽減する。季節も春先だったので、庭があれば自然に室内から外に出て、かつてなく庭仕事に精を出し、結果自宅がの庭がかつてなく美しくなっていると満足気に語る人が後を絶たない。
アパルトマン住まいが中心のパリなどの大都市では、庭を持つことの難易度はやや高くなるが、小さなバルコニーや出窓、キッチンの窓際など、植木鉢一つから、どこでも小さな庭を作ることは可能だ。自然な環境から切り離されていればいるほど、人間にとって植物の存在は貴重である。
庭づくりといえばリタイアした田舎の年寄りがやるもの、的な雰囲気がフランスにもなきにしもあらずだったのが、近年のエコロジーブームで庭に関心を持つボボ世代が増えていた。さらに外出制限期間を経て、フランス人全般の間で庭づくりへの関心はどんどん高まっている。
フランス人の理想の庭とは
フランスの人々がイメージする理想の庭とはどんな感じだろうか。
リラックスできる場所としての庭、花が咲く庭、そして収穫できる家庭菜園のある庭、雰囲気としては、よりナチュラルな庭が好まれている。ちなみにナチュラル・ガーデンが好まれる傾向は現在の世界的な動向といえよう。
フランスの庭づくり、家庭菜園が大人気
家庭菜園はフランス語でポタジェという。外出制限期間を考慮せずとも、エコロジー、オーガニックへの志向が高まる中、安全で新鮮な食べ物を自分で育てられるなら素晴らしい、節約にもなる、ということで、このところポタジェ(家庭菜園)への人気は高まっていたのが、さらに加速している様子である。我が家のパートナーも、外出制限をきっかけに、いきなり家庭菜園づくりに走り、トマトやピーマンがすくすく育って、今収穫期を迎えている。
日々の野菜の成長を目にするのはワクワクするし、最後に収穫して食べられるのは素直に嬉しい。結果が分かりやすいので、庭づくり初心者にもポタジェづくりから入るのはおすすめである。しかしながら若干の落とし穴はあり、なんでも上手く育つというわけではない。特に都会育ちで全然土と触れ合う経験がないような場合は、いきなり難しい野菜に挑戦して失敗するのも気持ちが凹むかもしれない。初心者におすすめなのは、まずは例えばハーブ類。ミントなどは雑草のようにその辺に生えていたりするが、雑草並みに丈夫なハーブは多い。植栽場所の日当たりや水分量にはやはり注意が必要だが、痩せた土地でもよく育つ。などの下調べはしたほうがいい。
オーガニックは当たり前、パーマカルチャーに高い関心
ナチュラルな雰囲気の庭が目下の人気となっているが、それは見かけだけでなく、エコロジカルな環境としても庭への関心は高い。フランスでは公共の緑化スペースでの農薬や除草剤仕様はすでに法律で禁止されている。個人の庭でも農薬や化学肥料などは使わずに、ナチュラルな方法で手入れする、オーガニックの庭づくりはもはや当たり前になっている。さらにはパーマカルチャーの手法も庭づくり、ポタジェづくりに広く取り入れられてきている。フランス的美意識と生活感覚が生きるナチュラルな庭づくり、今後の動向に注目だ。
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