フランス流子育て①
郷に入れば郷に従え
子供時代最長でも3年ごとに勤務先が変わるという転勤が多い家庭に育ったので、いつの日か「郷に入れば郷に従え」が座右の銘になってしまったようです。
そのせいでフランスに来てからは毎日どうしたらフランス語でうまく会話ができるのか、どうしたらこの環境に馴染めるのか、そればかり考えてきたように思います。
そのせいで私の子育てはどちらかというと「フランス流」だったのかもしれません。
初めて長男を出産したのが渡仏して4年程経ったころで、まだまだ慣れないことも多く、フランスという国で知らないものに出会う喜びを日々感じ、少しづつ馴染もうしている頑張っている真っ最中の時期での子育てでした。
また義理の母がとても面倒見が良い性格で、妊娠中から色々な育児用品や子供関連のグッズをプレゼントしてくれました。
お尻や顔をきれいにするのに使うふき取り用化粧水は、日本人の私には少しきつめの香りがするのに、少し驚いた記憶があります。
新生児でも体にぴったりフィットするベビー服には、日本から手伝いに来た母が少し驚いていました。
プレゼントに頂いた新生児用の帽子はピッタリすぎて次男の頭にかぶせるにも一苦労、
「頭の締め付けすぎで、体に悪いのでは」
と心配になるほどのきつさだったので、ほとんど使うことなく終わってしまいました。
根が倹約家なこともあり、できるだけ現地調達するのが手っ取り早く、経済的なことも手伝って、見慣れないフランスのベビー製品を発見する楽しみも大きかった毎日でした。
そもそもフランス独特の子育てって?
他のヨーロッパの国々に比べてもフランス特有かも?と感じるのは、
休みが多い、女性の就業率が高いこと。
自分の子育てで何がフランス的だったのかなと振り返ってみると、
生後数週間で子供は自分の部屋で寝ていた
子供が3か月になったころに私が仕事復帰した
子供は保育園に朝8時半ごとから18時まで預けられていた
お小遣いは基本なし
小学校の高学年になるまで登下校には親が付き添っていた
ざっと上げるとこんなところでしょうか。
フランスに限らず、欧米の国では子供と早くから部屋を分け、大人と子供の空間は別々にすることが多いようですが、基本ベットだから、大人のベットから落ちたら大変だし、添い寝という選択はそもそもないのでしょうね。
これは私の個人的な感じ方なのかもしれませんが、フランス人親子の距離感ってちょっと日本人親子の距離感とは違って、常にべったりの親子関係というのは本当に新生児の時だけなのかもしれません。
子供と大人が同席するちょっとしたパーティーでも、子供は子供で別にテーブルが用意されていて、大人は大人で楽しむというスタイルがとられることが多いです。
たまに大人と子供が同席する食事会などでは、子供は大人の会話を邪魔しないように厳しく言い聞かせられます。
始めの頃は
「大人が主役で、子供がちょっとかわいそう」
と思ったりしたものでした。
働くママが圧倒的に多い
働くママなら保育園に預けて働く人は日本でも多いと思うので、さほど「フランス流」という訳でもないのかもしれません。
少し違うのはフランスは基本的な労働時間が35時間と短く、おまけに年に最低5週間の有給が必ずとれる環境でなので、日本に比べて働き続けることへのハードルはそれほど高くないということでしょうか。
日本で働く友人や知人の話を聞くにつけ、私が日本で子育てしていたら、出産後もフルタイムで仕事を続けることは選択していなかっただろうなと思います。
但しそういった働きやすさはあっても、子供の病気など、何か不測の事態があるとその対応方法に追われることはやはり避けられませんし、子供が小さい時にありがちな、夜泣きが頻繁にあってへとへとで、寝不足の状態でも、翌日には普通通りに出社して仕事をしなくてはいけない大変さももちろんあります。
ただ男女とも働き続けることがスタンダードのフランスでは、パパでも積極的に育児に参加することが珍しくなく、こうした「周囲に迷惑をかける」状況であっても肩身の狭い思いをすることは少ないのではと思います。
子供が病気で早めの退社しなくてはいけない時、同僚や上司から顰蹙を買うどころか、
「うちの子も良く中耳炎に罹って大変だったよ」
なんて温かい言葉をかけてくれる同僚の存在は、ギリギリの状態で頑張らなくてはいけない子育て世代にとても有難いと思います。
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