どの立場で読みますか?

昨日、1冊の本を読み終わりました。

「ヴァイタル・サイン」南杏子

最近では「命の停車場」が映画化された作家さんです。医療現場で働かれている方なので描写はリアルです。

主人公は看護師です。大卒看護師と看護助手の教育係を任されている真面目な人物です。

主人公目線で書かれているので、勿論、たいていは主人公目線で読むことになるとは思います。が、途中で思ったんですよね。これは誰の視点でも読めるのではないかと。

例えば、追い詰められた大卒看護師。

看護助手の男性。

患者さんとそのご家族。

皆、それぞれの事情があります。私も入院を何回も繰り返したので、看護師さんのヒエラルキーみたいなのを感じたことも多々ありましたし、医師も色々な方がいるもんだなぁ、と思ったりもしました。ありえないような話だけど、大部屋で大騒ぎ(どうでもいいことで)してたり。

だから、医療従事者さんや患者さんのご家族はこの本をどう読むのかなぁ?なんて思ってしまいました。

私の不勉強かもしれないけれど、医師が主役の本は多々あれど、看護師さんが主役の本はとても珍しいと思います。

本当に過酷だ過酷だとは思っていましたが、この本に出てくる看護師さんの状況は過酷でした。現実が皆こうだとは思わないけど。

もしよかったら読んでみてください。

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