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40代独身男性が再就職するための履歴書「あの日見ためくりジャンプ大パンチを僕は忘れない」


冒頭と自己紹介はしばらくテンプレのように掲載してゆくことはご了承いただきたい。


【はじめに】



これは、履歴書である。

履歴書を、この note に記してゆく。

つい先日、私は就職活動を行い、社長面談まで進み、不採用となった。

第一線で働く企業の、社長の口から語られるひとつひとつが金言だった。

目から鱗が落ちた。

正確に言うと耳から落ちた。

不採用だったが、仲介してくださった方々には本当に感謝し、また、決められなくて本当に申し訳ないと思っている。

私は、役者だ。

再就職先を、探している。

【自己紹介】

信國 輝彦(のぶくに てるひこ)

1977年10月22日生まれ 広島県出身

Twitterのプロフィールには「妻を殺してきました、という顔をしています」とある。

未婚の独身だ。マルもバツもない。ただ、そんな顔つきをしているだけだ。

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2012年撮影の私。

写真家のJRが原宿でイベントを開催した際に撮影した画像だったと思う。

自首した後にこんな風に写真に撮られるのだろうか。

未婚の独身だ。マルもバツもない。前科もない。前歴もない。

過去に在籍した劇団の作演出家の方が私をみて上記のようなキャッチフレーズを付けてくださった。今でもそれを使わせてもらっている。

ちなみに2020年現在の私は、

画像2

こんな顔をしている。(撮影:吉田電話)

こうやって笑っていても、上記のキャッチフレーズがサブリミナルで刷り込まれたが最後、そういう奴にしか見えてこない。

思い込み、イメージ、って何なのだろう。

私は再就職先を探している。

私は新しいキャッチコピーを考えねばならない。
そのキワに差し掛かっている。

【私の現在】

私は現在、在宅で週一日、数時間勤務している。

株式会社countroomという経理の会社である。

↑URLに飛んで頂けたなら判ってもらえると思うが、芸術文化団体や文化イベントのバックオフィス業務をサポートする事務の専門チーム、とある。

2019年3月末、前職である芸能事務所のマネージャー職を退職し事務所も退所した後、就職活動を行い友人を通じて働かせていただいたのがcountroomであった。私が言うには烏滸がましいにも程があるしまるで説得力に欠けるかもしれないが需要が多い業態でありそして(働かせてもらったからこそ伝わってくる)志の高さが、ある。良い会社で働かせてもらっている。

もうひとつ、かなり不定期ではあるが資格試験の補佐業務も行なっている。

現在進行形の災禍の影響を受け、生活し続けてゆける定期的な収入も見込めていないことも踏まえ求職活動をしている。

↑ 一番最初に投稿したこの記事にもあるように、履歴書に職歴という職歴を書けなかった私だ。資格もない。昨年度にcountroomに入ってから先輩の薦めで簿記に関しては下記で少しづつ勉強を始めた。

すごく判りやすい。有り難い。

そしてExcelは下記URLで勉強を始めた。

このExcel四十八手のサイトが私としては非常に有り難い構成になっていて、「理解する速度を合わせてくれている」ことが何より伝わってくる。初めて触った方がだんだんと判ってくる瞬間の、その楽しさも一緒に伝えようとしてくれているのだ。

この感覚は何かに似ているなと、自分の記憶を辿った。

そして気付いた。

ストⅡだ。

【履歴書に書けない趣味:ゲーセン巡り】

履歴書に趣味や特技を書くことがあるだろう。面談でも聞かれることがあると思う、「趣味は何ですか」と。

長時間に渡る在宅期間で私はようやっと趣味と呼べるものに出逢えた。「(美味しいかどうかは別にした)料理」と「(美味しいかどうかは別にした)お菓子作り」だ。これは履歴書に書ける。面談でも言える。言えない趣味「ゲーセン巡り」「ゲーム」は心の隅にそのままだ。

面談にて

採用担当者さま「では、氏名と自己紹介をお願いします」

信國「信國輝彦(のぶくにてるひこ)と申します。妻を殺してきました」

採用担当者「・・・え」

信國「・・・・・」

採用担当「・・・今、何と」

信國「妻を、、殺してきました」

採用担「・・!?」

信國「という、顔をしています」

採用「ああ、何だ、そうでしたか」

信國「はい」

採「では、本題に入ります」

入れるわけがない。本題に入らず留置所に入る可能性が高い。

自己紹介において、「役者としての自分を表す言葉」と「いち社会人としての自分を表す言葉」は別だ。混同してはならないし、そこは社会不適合者として胸を張ってみせるのではなく、スーツを着こなしてネクタイをきちんと締めて趣味は料理です、と社会人を演じるのも良いと思ったのだ。

心のマイクのボリュームMAXで言うと本当の趣味はゲーセン巡り、ゲームが大好きである。(心の)声を大にして言いたい。学校の屋上からグラウンドにいる全校生徒に向かってあの頃の僕が「格ゲーが、大好きだー」と言えたなら、どんなに良かったか。私が通った広島の田舎の学校にはV6は来なかったし、その番組が製作されるのはそれからだいぶ先の未来だ。

ストⅡど真ん中世代なので本当に衝撃を受けたし、どんどんのめり込んでいった。当時は1プレイ100円。消費税は3%の時代だったが缶ジュースは100円のまま。なので缶ジュースを買うかストⅡを1回プレイするかの比較になる。甘くて美味しいジュースを飲めるという価値よりストⅡを1回プレイしてクリア(したい!するぞ!)という目標に向けて投資?散財?するほうが次第に増えていった。

【閑話休題】

youtubeに転がっている有名な動画なので観た方も多いかもしれないが、掲載しておく。「背水の逆転劇」と呼ばれる伝説の動画だ。

このゲームは1997年~に製作されたストⅢシリーズの(当時)最新作「ストリートファイターⅢ 3rd STRIKE」のプレイ動画だ。この動画は私なりに色んな角度からの発見があったのでまた挙げてゆこうと思う。

(ストⅡは1991年に発売されてから以降、ストⅢ、ストⅣと新作が発表され、2020年現在、ストⅤが稼働中である)

【8方向レバーと6個のボタンが生み出すコマンド技≠?】

ストⅡは8方向レバーと6個のボタン(それぞれに小中大、パンチor キックが割り振られている)を使って操作する。レバーとボタンの組み合わせで色んな技、そして必殺技が出せる。

私からしたらPCのキー操作のほうが何十倍と難しい。ブラインドタッチは出来ない、f1~f12キーもf7とf8を除いて殆ど使えていない、無変換、変換キー、Insertキー、PageUp、PageDown、etc・・・

経理の会社、countroomで働き始めた当初、先輩はショートカットキー(Ctrl+α)とAlt+Tabの使い方、sumifs関数など色んな技術を教えてくれた。

これは即戦力に仕立て上げるために基礎から教えるのではなく、取り敢えず波動拳昇龍拳を入力できるように叩き込んでくれた、と思っている。先輩方には本当に感謝している。

波動拳昇龍拳だけでもある程度攻略できる。ある程度までは。倒せない敵(計算式や関数)はWEBで調べる。波動拳ではない必殺技のコマンドが載っている、手元を見ながら入力し、うまくいった時の喜びはやはり大きい。自分の経験に置き換えるのは良い。判らないことで手が止まってしまうのではなく調べる、という習慣が付いたのは必要最低限の必殺技だけを教えてくれた先輩のおかげだ。倒せない敵をどうにかして倒そうとするDNAはゲームをやってきた僕たちにしっかりと刷り込まれていた。

すぐ負けて100円で3分しかプレイできなかったあの頃と比べて、今では100円で30分以上はプレイできる。いくら投資(散財)したか忘れたが1プレイ100円で約1000回プレイしたとして、¥100,000-投資したら100円の価値が約10倍以上に変化した。

自分の中で100円の価値が上がった。なんてね。

約1000回プレイしたから波動拳と昇龍拳は手元のレバーやボタン見なくても間違いなく出せる。PCのブラインドタッチは今は出来ないが、大丈夫だ、絶対できる。

【面と向かって『できます』と言えるように】

履歴書に書ける資格、技術は今は普通自動車免許のみ。Excel出来ます、関数使えます、簿記〇級あります、と履歴書に書けるようになるまではまだ時間がかかる。だが、書けなくても『PCの実地経験はありますが具体的な資格としては持ってません。ですがExcelの計算式もネットで調べたらすぐ出て来るんで大丈夫です』という言葉が胸を張って担当者に伝えられたらそれで良いはずだ。どちらにせよ胸を張れるように今は訓練しようと思う。波動拳と昇龍拳を何度も何度も繰り返し練習したあの時の僕のように。私はまたあの時の僕に戻れる。

【あの時の僕が経験した、小さな奇跡】

あの時の僕には名前も知らない仲間がいた。

ストⅡ(1995年当時稼働タイトルは『スーパーストリートファイターⅡX』)が置いてあるゲーセンの常連になった僕は、メインキャラクターでブランカという野獣キャラを使っていた。

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↑ この左側のキャラクターが「ブランカ」。波動拳や昇龍拳のような強い必殺技を持っておらず、弱い。けどずっと使っていた。弱くてもこのキャラを使い続けるんだ!という意思とそれでも強いキャラに勝つために攻略法を考え、実践し、何度もチャレンジした先に勝てたりする。その瞬間の心臓の鼓動の速さと達成感だけが、僕を支えていた。

スタンスがしっかりした状態で使い続けていると「ブランカ使いのあいつ」という風に憶えられ、何度もゲーセンで顔を合わせるうちに対戦相手たちと自然と話すようになり僕には「リュウ使いのあの人」「ダルシム使いのあの人」「ガイル使いのあの人」「春麗使いのあの人」という仲間が出来た。年齢もさまざまでスーツ姿の「ガイル使いのあの人」はだいぶ年上だったはずだ。みんな自分が使うキャラに誇りを持っていたからプレイスタイルが名刺みたいなものだったと思う。仲間の名前は全員知らないままだった。

ある日、リュウ使いのあの人と対戦していたら小さな奇跡が、起きた。

ブランカのジャンプ大パンチをリュウが喰らい、ブランカはリュウの裏側に回り込み着地した、いわゆる「めくり状態」になったのだ。

約1000回プレイした中でブランカのジャンプ大パンチがめくり状態になったことは1度もない。後にも先にも、ない。

その奇跡が起きた瞬間、僕とリュウ使いのあの人は互いに顔を上げ見つめ合い、思わず笑い、そしてすぐに対戦に戻った。


僕は子どものまま、私になった。

今の私にとっての8方向レバーと6ボタンはPCのキーがそうだろう。

これからどんどん上達してゆくと思えているから、頑張れる。

奇跡は、起きない。頑張らないと。

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