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メリー・ルー


酒に酔ったバーの帰り、駅のホーム。家のない爺さんが言った。「メリー・ルーを知ってるか?」「知らねえよ」そう答えると、彼は言った。

メリー・ルーは人見知り

メリー・ルーは臆病者

メリー・ルーは分からず屋

メリー・ルーは楽しい

メリー・ルーは快楽主義者

メリー・ルーは退屈

メリー・ルーは疲れやすい

メリー・ルーは法を犯す

メリー・ルーは親切

メリー・ルーは老人が好き

メリー・ルーは寂しがり屋

メリー・ルーはいつも1人

「ハァ?」そう答えたが、爺さんは「メリー・ルーは君かもしれないし、もしかするとそうじゃないかもしれないし、ひょっとすると皆んなそうかも知れんな。」そう言ってニヤつきながら立ち去っていった。気持ちの悪い目に遭った。嫌な日だ。だけど私はメリー・ルーを忘れられなかった。私はあの夜、メリー・ルーだったのかもしれないし、そうでなかったのかもしれないし、或いはその全てだったかもしれない。


【注釈】
・鬱々とした気分でパズルゲームをやっていたら、フッと頭に降りて来たメリー・ルー。誰?イギリス人?誰?
・メリー:陽気な,楽しい,愉快な
 ルー:赤茶色の
 以上Google先生より引用
・メリー・ルーがタイトルに入った曲は、古いアメリカ人アーティストのロカビリーと、毛皮のマリーズも歌っていた。
 以上Google先生
・愉快な赤茶色の、どっちも形容詞だな。
・現在、雷が鳴っていて、湿気が酷くて、それなのに肌寒い。そういう夜に出て来そうな詩だよね。
・この調子はJ•D サリンジャーの雰囲気にかぶれている模様。
・「ライ麦畑で捕まえて」はいつも読み返したいと思うが、大学のレポートで題材にした以来読んでいない。
・ふと頭に湧いたまま書いた乱文。意図無し。強いて言うなら、わたしもメリー・ルーなのかもしれないし、そうじゃないかもしれないし、あるいはその全てかもしれない。
・今夜も酒は旨い。

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