**リモートコントローラー**

何となくベランダから空を見てたら
自分って小さいなぁって思った
当たり前だけど

少し寒かったけれども歩いてすぐの
土手に行ってみた
午前中だからなのか？寒いのか？
人が少なくてホッとした

川の流れを見ながら
やっぱり自分って小さいなぁって改めて思う
当たり前なんだけど

羽田空港の飛行機の音がイヤホンから聴こえる
心地よい音
飛行機の種類や離着陸で音が変わる
きっと操縦士さんによっても若干変わるのだろうと思いながら土手で川を眺める

楽器も同じだものね
演奏する人で音はまるで違う
生き物のように変化する

あるピアニストがこんなことを言っていた
「わたしの演奏で眠ってしまうなら、それは
とても喜ばしいことよ。だってわたしの演奏がそれだけ優しいのだから」と。
妙に納得した記憶がある

今の自分の身体は歌う楽器だ
演奏は自分にしかできない
この声はどこまで届くのかな？
誰かの心に響くのかな？

不安や恐怖は全て川の流れに任せてしまおう
自分はもっと強いと思ってた
こんなに弱い部分があったなんて知らなかった
わかってよかった
でも強いままでいないと壊れちゃうから
弱さは封印するよ

わたしのリモートコントローラーは
わたしの小さな手のひらの中にしかない

土手からの帰り道
今日1日を休みにした自分に感謝した
前よりリモートコントローラーを上手く使えるようになっているかも知れない