**おもちゃじゃない**

「きっとね?彼は寂しくなったら求めてくるの」彼女は涙声でそう言った。

じゃあ、彼が楽しいときは?

「楽しくする相手がいるからあたしのことは忘れちゃうの」

そっか。。

「でも、連絡が来ると嬉しいの。あたしここにちゃんといるんだって思うから。彼の中にあたしの存在がちゃんとあるんだって思うから」

うん。

「ろろにはわからないよ。ろろは独りでも平気じゃん?」

いや、そう言われてもね。。自分の時間は楽しまないとね?それが仕事でキツかったとしても、自分が充実してないとさ。。

「だから、ろろは独りなんだよ。元彼と別れた後も誰かと付き合っても続かないんだよ。だって相手は自分のこと必要じゃないって思っちゃうんだよ」

何の話だっけ?嗚呼、君の彼の話か。。

「彼にとってわたしは必要な存在なの」

(おもちゃじゃない!彼女を自分の都合のいい女にするな!)と心の中で思ったけど、言わなかった。

言ったところで、今の彼女には響かない。世の中の男性全部がそうだとは思ってないけれど、自分にはどうしても「都合のいい女」にしたがる男性が多くいるように思えてならない。それは付き合ってようが、付き合ってなかろうが、どんな関係だろうが。。

「ねえ、ろろ?ろろはどんな人なら付き合おうって思うの?」

いや、正直わからないけれど「お互い尊敬しあえて、話し合える関係かな?」

「え~?ろろ?それビジネスパートナーじゃん?」

よいでしょう。それでも。適度な距離感って大切よ。


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