**旅の始まり**

どれくらいぶりだろう?って思うくらい眠った。

夜中には絶対に目が覚めると思っていたのに起きなかった。

起きてからの罪悪感はとても重い岩のようだった。眠ってしまったことへの罪悪感ではなくて、ここまで自分を疲れさせていたことに対する罪悪感。

確かに、ここしばらくは仕事が忙しいし会社にも新しい人が入ったようで、どうにかしなければならない仕事をどうにもできなくなって代打で対応したこともあったけれど、そんなことはこの仕事をしていたら日常茶飯事なのに、ずっと眠り続けていた。

恐らく精神的な疲労なんだと思う。どうしてこんなに疲れる前に気づいてあげられなかったんだろう?

朝、目覚めたときは少しもすっきりしていなくて何となく身体は怠くて、頭も痛い。白湯をいただいてぼ~っと、今日のスケジュールを確認してから、コーヒーを落とす。朝はコーヒー。食欲はないので、食事はしなかった。

部屋のことを済ませて、仕事を始める。

会社に入った面識のない新しい人のメール設定のサポートを電話で行っていたら、またどっと疲れが溢れてくる。

夕方になっても食欲は姿を現さない。紅茶だけいただいておしまい。

「ごめんね」自分に言う。

今年の夏は海に行こうね。

夜の海を見ようね。

したいことをしようね。

こんな日があってよかった。

長いながい眠りから覚めた日。

自分にとっての「旅の始まり」の日。



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