**aspirin snow**

数年前の雪の降る日の夜、何もかもが終わりのように思った日の話

誰もいない道で降りしきる雪の中を歩いていた

上を見上げると白い雪が容赦なく降って来る

このまま吸い込まれるようにこの雪とひとつになってしまえたらどれだけ楽になるだろうと思うと涙が出てきた

誰もいない道は真っ白でアスファルトも見えない

誰かが作ったであろう雪だるま

自然と涙が流れてくる

流れる涙と雪が交わってそのまま凍ってしまいそうな夜だった

あの日のことは雪の夜の静寂に置いてきたはずだった

吸い込まれるような静寂

そのまま自分も静寂の中に吸い込まれてしまいたい

あの日に限って雪だった

aspirin snow...

この曲を聴いたときあの日の感覚を思い出した

思い出したということはきっと少しは回復しているのだろう

あの日、雪の中に埋もれなくてよかった

埋もれていたらこの曲に出会うこともできなかったから