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ディスレクシアでHSP。娘とわたしたち家族が選んだ学校

2018年の春から2020年の1月末まで、アメリカ・オレゴン州ポートランドに滞在していました。
移住時、娘は7歳になったばかり。小学校1年生でした。そして9月から現地のデモクラティックスクールに通うことになります。

娘のことをちょっと

幼い頃からこだわりが強く、好きなものにはとことんのめり込むタイプ。そんな彼女がディスレクシアだとわかったのは保育園の年長になるころでした。毎月のべ300冊もの本を読んでいるにもかかわらず、文字にまったく興味を示さない。語彙力はあるのに、おかしいな…。そんなことがきっかけででディスレクシアがわかりました。

年長時代は保育園へのいきしぶりもみられ、小学校に入学してもきっと難しいだろうなーと思っていたんですが、やっぱりそのとおりで、1年生の2学期あたりでぱったり学校へ行かなくなりました。

自分はじゅうぶん能力があるのに、読み書き(計算も)できなくて授業についていけないことに混乱して、すっかり自信を失っていたんです。


娘が通った小学校はアットホームな雰囲気で、クラスも担任の先生も、校長先生もカウンセラーの先生も、みんな娘のことを気にかけてくれ、とってもいい学校でした。
「今日はとってもいい天気だよ。今ならみんな授業中だから、誰にも会わない。一緒に学校の屋上でサッカーしない?」
と、発達支援の先生が家にいる娘に声をかけてくれたりして。


娘も、先生たちが大好きだし、誰もいない放課後の教室でのびのびしていました。でも学校に通えなかった。
今、その当時のことを聞くと、やりたくないことを拒否できなかったり、逆にやりたいとこをずっと続けることができなかったり、なんでもみんなと一緒がつらかった、自由ってなんだ、みたいなことを言っているので、ああやっぱり公教育っていう枠が合わなかったんだなーと思えます。

こんなにいい学校だったのに、通えなくなった。
このことが、まったく違う評価軸で運営されている学校を探すきっかけになりました。

ポートランドで見つけた学校

2018年、私が申請していたビザがようやくおりて、みんなでポートランドへ引っ越すことになりました。

日本にいるときから現地の学校にコンタクトをとり、よさそうなモンテッソーリ校から学校見学に来てね、という返事をもらっていたのですが、あまりに人気校だったために、学校見学前に定員に達してしまったのです。

ほかのチャータースクール(独自のカリキュラムで運営されている公立校。入学は抽選になる)も抽選を締め切っているし、英語の話せない外国人を受け入れてくれる私立校は本当にすくなくて、頭を抱えました。

そんな中、「友達からいい学校があるって教えてもらったの」と声をかけてくれたのは、生活の立ち上げを手伝ってもらっていたMさん。
彼女がくれたメールのリンクをたどり、webサイトを見ると、そこには

私たちは、人種、国籍、LGBTQ、宗教、障害などの差別をしない

と書いてあったんです。
ここなら入れてもらえるかな(もはや「入る」という感覚ではなくなっていました)、と思って連絡すると、その日のうちに返事が来ました。


お問い合わせいただき、ありがとうございます。
私たちは、これまで、英語が第二言語の学生を受け入れてきた実績があり、そう、あなたの娘を受け入れることができます。絶対に! 私たちには、日本語を話せるスタッフはいませんが、リーディングスペシャリストが1対1でディスレクシアの子供と向き合います。あなたの娘さんの困りごとはなにか、一緒に話し合いましょう。なんでも気軽に質問してね。


そして1本の動画が添付されていたんです。

再生してみると、

学校の一日を早送りで撮影したもので、BGMには生徒が作った音楽。低学年の子どもがグループで工作をしている横で、高校生が椅子を持ち寄りおしゃべりを楽しんでいる。寝そべって本を読んでいる子もいれば、パソコンに向かっている子もいる。みんなで掃除をして一日が終わる。

こんな、短い内容でした。

私は、こんなにユニークな学校案内をもらったことがなくて、この学校にますます興味を持ちました。
そしてこの学校が、私と夫、そして娘に大きな影響を与えることになります。


 

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