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滞在するため、煙草を吸うためだけの人があつまる祐天寺の喫茶店。これが喫茶店。有休消化中に遭遇して安心した話

5年半勤め、最後には執行役員をしていたベンチャー企業を辞める決意をし、有休消化中の夏休み。こんなに長く何もしない(無職)なのは久しぶりなので、自分に何かを課す意味も込めて、心境の変化や日々の過ごし方について書いておこうかと思ったり、今だけ思ったり。

煙草目的店、と窓にステッカーが貼ってある。店外の陽にやけたメニューは、何度も値段が書き直されている。それも掠れて、今の値段がよくわからない。店の扉を開けると、20代中頃のお客さんが3組と、店主のおばさんと、アルバイトの青年。入り口横の4名席は夕方の西陽が差していて眩しそうだけど、あいにくそこしか空いていない。眩しいけどいい?と言われて席につく。アルバイトの青年が古びたロールカーテンを閉めてくれる。埃が西陽に照らされながらふわふわ舞う。くしゃみ。

五反田駅前のチェーン系喫茶店はリモートワークやオンライン会議をするための場所であったが、ここ、祐天寺駅から歩いて数分の個人経営の喫茶店は、普通に喫茶店だった。

すぐ隣にはサードウェーブ先駆けチェーン店があるのに、次から次へとお客さんが来る。その多くが20代の男女で、たまに常連のおばさまたち。

お隣のカッフェーとは、求めてるものが違うんだろう。
おしゃれ空間ならあちら、会話とタバコとレトロと地元のおばちゃんならこちら。

パソコンなど誰も開いておらず、スマホを眺める人も少ない。

店主のおばちゃんは「ちょっと一服させてね」と、まさかの自分も煙草を吸い始める始末。
誰も嫌な顔はしない。

私は煙草は吸わないが、煙いとも臭いとも思わず、居心地がとてもよく、本屋さんをはじめた人が書いた、本屋さんのはじめ方の本を読んでいた。本屋をはじめる予定はないけども。

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