フリーランス美容師が支払うべき税金にはどんなものがあるのか?
現在フリーランスとして美容師をしながらフリーランス美容師さん限定コミュニティ【SHARE FO(u)R YOU】運営しております加藤亮平と申します。
簡単ではありますが、このコミュニティ【SHARE FO(u)R YOU】についてはこちらの記事を読んでいただいければ幸いです。
「フリーランスになると毎月の収入が増える」
こんなイメージを持っている美容師さんもいるかもしれません。
確かに雇用されている時に比べると収入が上がったというフリーランス美容師さんもいらっしゃるかと思います。
そもそもフリーランスというのは会社に雇用されているわけではないため毎月得る収入は給与ではなく、「報酬」という事業所得として扱われます。
給与であれば本来収めるべきお金が会社から差し引かれた状態でいただくことになるのですが、フリーランスの場合給与ではないので報酬の中から税金や保険料等を自身で支払わなければなりません。
フリーランス美容師にとって必須のタスクの中に確定申告というものがありますが、この確定申告というのは一年間の収支を計算し収めるべき税金や保険料等を算出するための大切な業務になります。
そこで今回は「フリーランスが収めるべき税金や保険料にはどんなものがあるのか」ということについてお話ししていきたいと思います。
フリーランス美容師さんの参考になれば幸いです。
⬛︎フリーランスが知っておくべき「給与」と「報酬」の違い
まずはじめに「給与」と「報酬」の違いから見ていきましょう。
「給与」というのは正社員として雇用契約を交わしている勤め先に対し、契約内容に基づいて労働することの対価として受け取るお金のことを指します。
つまり雇用契約を結んでいることが大前提になります。
それに対して「報酬」というのは雇用契約ではなく、請負契約や委任契約に基づいて働いた対価として支払われるお金を指します。
請負契約というのは、依頼した仕事が完了することではじめてお金が支払われる成果報酬型をとっているため、フリーランス美容師さん(業務委託サロンやシェアサロンなどでサロンワークをしている美容師さん)に適用されるのはこの報酬になります。
所得の種類としては給与は「給与所得」となり、報酬は「事業所得」にあたります。
それぞれ計算の仕方は異なり、給与所得は「給与の金額-給与所得控除」、事業所得は「総収入金額-必要経費」によって算出されるため、所得税の計算に相違が出てきます。
⬛︎フリーランスが収めるべき税金と保険料
フリーランスとして美容師をしていると手取りの収入が増える印象がありますが、その反面小さいものから大きいもを含め支出も増えていきます。
実査しフリーランスに転向して「あれ?」と思っている美容師さんも少なくはないのではないでのしょうか?
カラー剤やパーマ剤等の材料発注費に加え、面貸しの場合であればサロンを借りる利用料なども当然自分で支払う必要がありますが、それに加え毎月各種税金、保険料等も支払わなければなりませんです。
フリーランスが支払うべき税金の種類には様々なものがあります。
収入を気にかけることも大事ですが、どんな種類の税金があり、何に対して税金がかかるのかということや、保険料に関してもしっかりと把握しておくこが支出を管理する上でとても重要です。
●所得税
「所得税」は、フリーランス美容師さんが1年間で個人で得た所得(儲け)に対して課税される税金のことです。
年間所得の合計が38万円(2020年分以降は48万円)を超えると、確定申告をして所得税額を算出し、国に納税する義務が生じます。
確定申告については是非こちらの記事を読んでみてください。
https://note.com/freelance_ryohei/n/n72858b68aa41
ちなみに所得というのは年間の収入から必要経費を差し引いた金額になります。
例えばサロンワークによる技術売上が年間で500万円だったとします。
とはいえフリーランスの場合サロンワークをする上で材料費や場所を借りるための費用等を自分で支払わなくてはなりません。
それらの費用が年間で100万円かかったとすると、500万円ー100万円=400万円が所得になります。
つまり所得税というのはこの所得である400万円に課税される金額のことを指します。
実際に納める所得税の計算は、上記のように収入から必要経費に加え各種控除を差し引いて「所得金額」を求めます。
どういったものが経費になるのかについてはこちらの記事にまとめてありますので是非参考にしてみてください。
https://note.com/freelance_ryohei/n/n8c8ba64429ae
次に得られた課税所得に応じた率を乗じて税額を算出し、その額から控除額を差し引いたものが、納付すべき所得税の金額になります。
所得金額ごとの税率と控除額はこちらを参考にしてみてください。
参考:国税庁
●住民税
「住民税」は、フリーランスなど個人が都道府県と市区町村に支払う税金のことです。
住民税は、所得に対して支払う「所得割」と、その都市に住んでいることでかかる「均等割」の2つで構成されています。
「所得割」というのは課税所得の10%(都道府県4%+市区町村6%)であるのに対し、所得金額に関係なく定額で課税される「均等割」は都道府県1,000円+市区町村3,000円の合計4,000円になります。
所得割と均等割の合計額が、住民税として収めるべき金額になります。
住民税で注意すべきポイントは、所得税が0円でも住民税がかかる場合があるということです。
所得税と同様に、住民税にもその人自身に対する控除である「基礎控除」があ流のですが、所得税の基礎控除が38万円であるのに対し住民税が33万円であるということをしっかりと把握しておきましょう。
どういうことかというと例えば所得が35万円の場合、所得税は基礎控除38万円以内のため非課税となりますが、住民税は基礎控除である33万円を超えるために納税が必要になる、ということです。
●個人事業税
「個人事業税」は事業をしていることに対して都道府県に支払う税金です。
所得が290万円を超えた場合超えた部分に対して、その事業の種類によって3~5%の税金がかかります。
ちなみにフリーランス美容師の場合、第3種事業に分類され、その税率は5%になります。
こちらを参考にしてみてください。
参考:東京都主税局
個人事業税の納期は年に2回(8月、11月)あり、都税事務所・支庁から納税通知書が送付されます。
●消費税
「消費税」は、原則として課税売上が1,000万円を超えると納付義務が生じる税金です。
フリーランスの場合、開業してからの年数や売上によって消費税を納税するか免除されるかが決まります。
諸費税を受け取ったとしても売上が1,000万円未満、もしくは開業後2年以内であれば免除され、消費税を納税するかどうかの判断基準は前々年の課税売上が対象となり設立当初の2年間は「免税事業者」となります。
これは、小規模事業者の事務負担を軽減することを目的としています。
その反対に売上高が1,000万円を超えたら、消費税の納税しなければなりません。
課税対象となる期間に売上高が1,000万円以下であっても、特定期間(その年の前年の1月1日から6月30日までの期間)に売上高が1,000万円を超えると、課税対象になるため注意をしましょう。
●国民健康保険料
フリーランスとして美容師を始めるにあたり、会社を退社した翌日から14日以内に「国民健康保険」に加入する義務があります。
国民健康保険料の金額や納付方法は、各市区町村によって異なり、基本的に「世帯割」に扶養家族の人数や収入の状況に応じて加算されるため、住民税よりも高額を納めることになります。
支払い方法については一括前納、もしくは期ごとになります。
とはいえ国民保険料は控除の対象になるため、節税対策の面でも確定申告時に所得から必ず差引くようにしましょう。
国民健康保険についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
https://note.com/freelance_ryohei/n/n698c24e5368e
●国民年金保険料
正社員からフリーランスになった場合、厚生年金から「国民年金」に切り替える必要があります。
日本年金機構の国民年金に加入すると「第1号被保険者」となり、国民年金保険料額は、一定の保険料額に加え前年度の物価や賃金変動率を考慮した保険料改定率を掛けて算出されます。
国民年金保険料の支払いは月々です。
また、こちらも国民健康保険料と同じように確定申告の際所得から控除することができるため節税面で大きなメリットになります。
国民年金保険料に関してはこちらの記事も是非ご覧ください。
https://note.com/freelance_ryohei/n/n87c8b60b2b0b
⬛︎まとめ
今回はフリーランス美容師が支払うべき税金や保険料についてお話しさせていただきました。
フリーランスになると手取りの収入が増える場合がありますが、その中から自身でこういった税金や保険料を納めなくてはならないということを把握しておきましょう。
またその納税額や保険料を算出するために重要な確定申告において、必要経費と控除対象となる保険料をしっかりと確認しておくことで大きな節税効果もあります。
現役フリーランス美容師さんの参考になれば幸いです。
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【SHARE FO(u)R YOU】運営代表 加藤亮平
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