フリーランス美容師が知っておくべき「経費になるもの・ならないもの」
こんにちは。
現在フリーランスとして美容師をしながらフリーランス美容師さん限定コミュニティ【SHARE FO(u)R YOU】運営しております加藤亮平と申します。
簡単ではありますが、このコミュニティ【SHARE FO(u)R YOU】についてはこちらの記事を読んでいただいければ幸いです。
フリーランスになるとサロンワークや材料管理、予約管理や自己集客はもちろん、経費や売り上げの管理も自分で行わなければなりません。
そこで気になるのが確定申告。
「確定申告って面倒臭そう」というイメージがあるかもしれませんが申告の際、何を経費として計上するのかしないのかで収入に大きな影響を与えます。
そこで今回は、確定申告の際に節税対策にもなる経費についてお話ししていきたいと思います。
フリーランスになりたての美容師さんであったり、今回初めて確定申告に挑戦する美容師さんにとって参考になれば幸いです。
⬛︎フリーランスが知っておくべき「経費」とは?
よく「経費で落とす」なんて言ったりするのを聞いたことがあるという方もいるかもしれません。
そもそも経費で落とすの「経費」とはどんなものを指すのでしょうか。
経費というのは簡単にいうと収入を得るためにかける費用のことを指し、経費で落とすというのは収入を得るために使った支出を確定申告の際に経費として計上するというという意味になります。
例えば美容師の場合、わかりやすいところだとカラー施術やパーマ施術などに使う薬剤を仕入れるための直接要した支出はもちろん、集客や予約管理などの業務上要した費用も経費として計上できる場合があります。
フリーランスになると自分で所得を計算し納税をする「確定申告」を行わなければなりません。
確定申告に関してはこちらの記事も是非お読みください。
確定申告をする際は年間の総収入を計算し、そこから必要経費と控除を差し引いて所得を計算します。
つまりこういうことです。
所得に応じて納税金額が決定するため、しっかりと経費を把握していなければ確定申告ができません。
(因みに青色申告の場合最大65万円の特別控除を受けることが可能。)
フリーランスになったら領収書はもらっておいた方がいいと言われるのは経費を把握しておくためです。
⬛︎経費に「なる」、「ならない」の基準
とはいえ何が経費になって何が経費にならないかというのがはっきりわからないという方も多いかと思います。
できるだけ経費として計上することは節税対策にもなるため、どういったものが経費になるのか、その基準をしっかりと把握しておく必要があります。
その経費を考える上での基準となる基準は以下の二点です。
業に関係しているお金かどうか
売り上げに貢献しているか
また、確定申告の際に領収書を提出しなければならないと思っている方もいるかもしれませんが、提出の義務ではなく保管しておく義務(最大7年間)があります。
因みに最近電子決済も増えてきたためメールなどで電子記録が送られてくることも増えました。
この場合も金額や日付、支払先などの詳細が分かれば領収書として有効です。
確定申告に必要な帳簿をつける際はこれらの領収書が必要になり、税務調査の対象となった場合は保管した領収書をもとに必要経費になた理由とその根拠をきちんと説明しなければなりません。
⬛︎フリーランス美容師が経費にできるもの
ではフリーランス美容師の場合、経費とプライベートでの出費の線引きをどこで行えばいいのか、そしてとしてどんなものが経費として計上することができるかを見ていきましょう。
■経費にできるもの①:サロンワークで使用する消耗品
美容師はサロンワークをする上で消耗品が多いのが特徴です。
フリーランス美容師の場合、使用するカラー剤やパーマ剤などの材料は当然自分で用意する必要があります。
また、人によってはシャンプーやトリートメントなども自分で用意しているという方もいるかと思います。
加えて自身が使用するがシザーやバリカン、コテやアイロンなどの器具はもちろん、お客様が使用するラップやイヤーキャップにカラーケープなども自分で用意する方もいるかと思います。
これらは税制上、値段が10万円未満、もしくは使用可能期間が1年未満であれば、すべて「消耗品費」として経費に計上することができます。
ですが10万円以上のものに関しては固定資産として「減価償却」が必要になります。
減価償却の方法は以下の3つです。
一括償却資産
減価償却資産
少額減価償却資産の特例
節税対策の部分では少額減価償却資産の特例の場合、30万円未満であれば全額を一括して経費にすることも可能です。
とはいえこの場合青色申告をしていることが条件になります。
それ以外の場合は数年に渡って経費に計上していくことになるため節税対策としては効果は小さくなります。
上記でお話しした控除額(最大65万円)に加え、青色申告の方がより一層節税対策になるのにはこういった理由もあります。
■経費にできるもの②:衣服やアクセサリー
美容師であれば見た目の印象も大事ですよね。
お客様目線で考えた時に、見た目が野暮ったい印象だと美容師としてのセンスも疑われてしまう可能性もあります。
そのため髪型をデザインする美容師であれば当然自身のファッションにも気を使う必要があります。
美容師の場合、サロンワークをする上での明確な制服というものがあるサロンさんもあるかもしれませんがフリーランスの場合は当然自分で用意をします。
自分の中で「これ仕事用」「これはプライベート用」など明確に分けている方もいるかもしれませんがこの線引きは正直微妙なラインです。
客観的に誰が見ても仕事用のユニフォームとわかるものであれば問題ありませんが、もしその服をプライベートでも着用するのであれば経費にすることはできません。
衣服はサロンワークをする上で必須になりますが特にカラー剤などで汚れてしまうことを考えると、サロンワークで着用する衣服の購入頻度は高くなってしまうかもしれません。
とはいえ改めてにはなりますが、その服をプレイベートでも着用してしまうと実務上での必然性はなくなってしまいます。
もし経費としてサロンワークで着用する服の費用を計上するのであれば私服との兼用は控えておきましょう。
また、アクセサリー類は経費とは認めあれないため注意が必要です。
■経費にできるもの③:旅費・交通費
交通費を経費に計上する条件は、事業を行う上で欠かせないものかどうかです。
フリーランス美容師の場合でいうと自宅からサロンに行く場合やセミナーなどの移動費や訪問理美容などで出張する際の費用を旅費交通費といいう勘定項目を使って計上します。
ただし、プライベートで使用した交通費に関しては認められないため注意しましょう。
確定申告で申告した交通費の中にプライベートで使った交通費が混在すると、税務調査で指摘を受ける可能性が高くなります。
少し面倒ですが普段から経費となる事業の交通費とプライベートの交通費が混在しないように区別しておくことをお勧めします。
また、PASMOやSuicaなどのICカードを利用して交通費を計上する場合は、現金をチャージした段階では経費にすることができません。
あくまで交通費としてチャージ金額を使ったときに経費として認められるため、チャージ時と利用時それぞれのタイミングで経理処理が必要です。
例えば10,000円をチャージして500円だけ使った場合、残りの9,500円は経費にはならないということです。
■経費にできるもの④:接待交際費
接待交際費とは取引先や関係者に対して接待をした際にかかる費用のことを指します。
この接待交際費は節税対策においてフリーランスにとって大きなメリットがあります。
例えばフリーランスではなく個人で法人を立ち上げて活動されている美容師さんもいらっしゃる方と思います。
その場合、資本金1億円以下の法人であれば「年間800万円以下」もしくは「接待飲食費50%まで」までが認められています。
それとは対照的に個人事業主であるフリーランス美容師の場合、この「接待交通費」の限度額が設定されていません。
そのため直接的に仕事に関係するものだけでなく間接的に関係したものも含め、仕事に関係するものであれば全て経費として計上することができます。
とはいえ飲食の日時や場所と相手・人数などの記録は残しておく必要があるため領収書以外の記録も取っておくことをお勧めします。
この記録は税務署から追求された際に証明する資料になります。
■経費にできるもの⑤:広告宣伝費
広告宣伝費とは新聞広告料や雑誌などのメディア掲載料、宣伝用のホームページ作成など、間接的な宣伝にかかった費用にことを指します。
フリーランス美容師の場合ほとんどの方が自己集客を行なっているかと思います。
minimoやリスティング広告はもちろん、インスタ広告やその他SNS広告にかかる費用はこの広告宣伝費として経費にすることができます。
また自身で作成したホームページやブログの運営費、さらに名刺作成にかかった費用なども同じように経費計上することができます。
■経費にできるもの⑥:通信費
フリーランス美容師の場合、お客様との連絡のやりとりや予約管理はもちろん、自己集客におけるSNS運用や材料の発注など個人で行います。
これら日常的に使う電話やインターネットの通信費も経費として計上することができます。
とはいえ当然ではありますがプライベートで使用したものは含むことができないため、全額ではなくあくまで全体のうち事業を行うために使った割合分を計上するという形になります。
■経費にできるもの⑦:研修費
美容師であればフリーランス・正社員関係なく、常に勉強し技術の向上を目指さなければなりません。
そのためにセミナーや講習に参加する美容師さんも多いかと思いますがその際にかった費用も「研修費」として経費計上することができます。
また美容師としての技術スキル向上だけでなく、フリーランスの場合は集客も必須の業務になります。
最近では各種SNSのセミナーであったり集客のセミナーも多く行われるようになりました。
そういったセミナーの参加費用も同様に経費として扱うことができます。
⬛︎まとめ〜経費と確定申告の関係〜
納税金額は総所得に税率をかけて決定するため、できるだけ経費を差し引き総所得の金額を小さくすることで納税金額を少なくすることができます。
つまり経費を正しく計上することは節税対策の第一歩につながります。
とはいえ経費を計上しすぎ確定申告を赤字にしてしまうと、今後家や車を購入する際にローンが組みにくくなってしまったり、実店舗で独立する際の借り入れができなくなる恐れがあるため注意が必要です。
また、フリーランスにおいて経費を考える際のポイントは、仕事用とプライベート用をしっかりと分けるということです。
少し面倒に感じるかもしれませんが日々の小さな経費計上を積み重ねが年間で大きい節税効果を生み、実質収入アップに繋がります。
危険なのは経費としてふさわしくないものまで経費として計上することにより脱税を疑われる可能性があるということです。
この記事ではあくまで一般的な事例をお伝えしましたが経費で落とす際は経費として本当に正当なものかどうかを十分に判断する必要があります。
もし不安な場合は税理士さんに相談してみることをお勧めします。
現役フリーランス美容師さんの参考になれば幸いです。
ではまた。
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