占いを学ぶ難しさ、占い上手はここが上手

「占い」って聞くと、どうしてもチープで胡散臭いイメージが張り付いているみたいな感じがして嫌なんですが、

当たり外れを楽しんだりヤイヤイ言うようなエンタメ性の高いどんな占いも、その地盤には一朝一夕ではマスターできない高度な学問があります。

占星術も学問だし、易占も易経から派生した学問だし、算命学も学問。
（その他の占術は詳しくないので、分からない…）

で、これらを勉強するだけなら時間をかけていけばいいんだけど、鑑定したり、実際に自分で活用するとなると難しい。どうしてかと言うと

具体と抽象を行き来させること

が出来ないと、なかなか腑に落ちづらいから。

抽象的なところで止まると「で、実際どうすりゃいいの？」ってなるし、
逆に具体的すぎると「え～私、そういう部分は当てはまらんけどな～」って矛盾や抵抗を感じる人もいる。

だけど、具体と抽象を行き来させるのが上手な人の鑑定は、極めて現実的・実用的で納得感がとても強いんです。もちろん、フワフワした要素は一切ない。

例えば、私は西洋占星術で見ると山羊座なんだけど、山羊座って「真面目で、権威主義的で、ビジネス上手」みたいな単語が並ぶことが多いんですね。

で、確かにそういう面はあるんだけど、そういった単語って極めて具体的な”点”の1つに過ぎない。

SNSで目にするもののほとんどは、抽象度は度外視した”分かりやすい具体例”の断定形になっている。その方が大衆ウケするからね。

「ふーん、そうなんだ～」ぐらいで見るならそれで全然OK。
ただ、自分が占いを学ぶ・扱う・鑑定するとなると、その具体例はどういった根本的な意味から派生したものなのかを意識できないと、マジで迷宮入りする。

もう1つ例を出せば、
私は風水師なので、風水を処方する前にまずは易を使って鑑定をします。

皆さん気になる財運を見る時は、財とご相談者さんとの関係性、その方の取り巻く環境や人物を踏まえた状況を読み取っていくんだけど、実際手元で見ている情報って漢字だらけなんで（笑）

こっから、具体的にすることで立ち現れた意味の構造を理解する。最初は意味分からなすぎて、心折れるかと思った！（個人的に、ホロスコープを読むよりも難解だと感じたなぁ…）

で、財を見るのは「妻財」なんだけど、お金の意味の他にも、女性そのもの、女性性、飲食物など様々な意味合いがあるので、そういう枝葉も頭に入れながらご相談者さんの個別事象を拾っていく。

読み方の基本の方程式はもちろん厳守だけど、それ以外だと「こうだから、こう読め！」っていうテンプレはない。他の占術も同じですよね。

だから、よくよくお話を伺いして、抽象と具体を行き来しながらようやくストーリーが見えてくる感じ。

（易は、予言や霊視とかの類じゃないんで、何も話さなくても分かってくれる！当たる！みたいな感じじゃないですｗ）

つまり、

個別具体的な事象から、抽象度を上げて構造を理解をする

↑　行き来　↓

構造的な理解を下地に、個別具体的なことに落とし込む

という高度な知性を要求される。
これが、占いという学問の世界の難しさであり、腕の見せ所なのだと思うんですね。


だから「山羊座は真面目！」「タロットで言う”世界”のカードは、全ての調和した素晴らしい状態！」みたいな具体的な点”だけを”丸暗記していってもまるで意味がない。

なぜそれがそういう意味を持つのか？という疑問を抱き、抽象度をグッと上げて視点を高くして、その上で再び具体的な”点”を増やしていかないと、本当の意味で分からない。

イメージで言えば、顕微鏡でめちゃくちゃ倍率を高くして詳しく見ることと、倍率を低くして全体像を把握するのと、それを行ったり来たりするような感じ。
この作業の緻密さが、精度の高さを生む。だから、ここをスムーズに行き来できる人が読み解き上手なんです。

こんな風に書いている私自身は、これがめーっちゃくちゃ苦手でした。
今はこうして客観視して言語化できるようになってだいぶ得意になったけど、まだまだだなぁと。

この視点の転換は大学時代に鍛えられたのですが、苦手で訳分からなくて会話についていけなかった頃は、頭がパンクしそうだった。
たぶん、頭のてっぺんから湯気出てたと思う（笑）←それぐらい酷かったｗ

なので、苦手な人にとって圧倒的な難所だろうな～ってのが、人を見てると身に染みて分かるのですよ。

そんな部分を感じているので、実は占術って【学び方が全て】みたいなところが非常に強いと思うんですね…。

でも、視点の転換は意識的なトレーニングでいくらでも鍛えられます。
個人差はもちろんあるけど、自分からコミットする意欲がある人なら後天的にある程度は身に着くと思う。
絶望的に出来なかった私が言うので、確かです（笑）

ただ、それを鍛えられる場って大人になってからは、マジでないんだよなぁ。そこは永遠の課題かも。
この部分を分かった上で指導してくれる先生、講師、師匠に出会えたら、それはそれは幸せなこと！ですよ^^♪

（余談）
ここまで書いて分かったけど、占いに限った話じゃないですな！（笑）どんな仕事もやはりココが大事。ココが腕の見せ所。