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ときどきフィルム写真 番外編         

イコンタ・スーパーシックスの不安 


イコンタとの出会い

過去の頁で書いたが、イコンタはヤフオクの「美品」のうたい文句と22,000円というリーズナブルな価格に惹かれ競り落としたのが始まりで、入手するやいなや(早く撮影したいなあ)とわくわくしたものだった。ただしそれにはブローニーフィルムを用意せねばならず、フィルムを買うのにも品薄だった事もあってやたら時間がかかり、気軽に撮影とはいかない忍耐の要る代物で、カメラそのものに無学な自分はクラシックカメラを使いこなすにはもっと勉強しなくちゃと気負ってもいた。

イコンタの謎

ネット上に掲載されているクラシックカメラ愛好家の記事を読んだり、現物を四方八方から眺めたりするうちに、このカメラはイコンタ532/16 スーパーシックスという名称であるとか、6×6判のましかく写真が11枚撮れるとか、搭載されているレンズが鷹の眼テッサーだとか、蛇腹が勢いよく飛び出ないようにそっと扱いましょうとか一般的な事が分かってくる。

冬の終わりに撮影の機会を得る。カメラにブローニーフィルムを装填するのだが、フィルムを巻き上げている時間が妙に長くなる。オリンパスtrip35で巻けばほんの数秒で済むところをイコンタでは何分も巻き続けてしまう。
慎重に巻かないといけないという機材からの圧を感じるというのもあるが。
大学の構内でシャッターを切った。撮影そのものは愉しかった。たとえ撮るものが路傍に打ち捨てられた自転車やうすら寒い裸木だったとしても。
シャッターを切っては巻きを繰り返すうちに、自分が見積もっていたよりずっと早くにフィルムの巻き上げがストップ。カウントの目盛りが8を指しているから最後まで撮り終わってないと思うのだが。

こうした謎の違和感を持ちながら現像へ出す。現像とDVD保存で三週間くらいかかると言われる。出来上がった写真はやはり8枚だった。そのうちなんとか写っている2枚が過去の頁に掲載されている。8枚しか撮れないのであれば、これは6×9だったのではとも思ったが出来た写真は真四角だった。
その後何回か撮影を試みるが、シャッターボタンを押しても無反応、シャッターが切れなくなり出した。思い切って修理に出そうと数軒に依頼するも受け付けられず、試行錯誤の末シャッターは切れたり切れなかったりした。
ゆえに使用を諦めこのカメラをいったん休ませることに。

イコンタと私の倦怠と不安

こうして一年を振り返ってみると私とイコンタの相性は決して良くない。自分の手際の悪さもあるし、古いカメラなので多少の不具合は仕方がないと思うものの、いざ使う時にシャッターが作動するかどうか判らないものは痛い。名声の高いカメラなのに修理もできず自分も使いこなせていない気まずさを感じながら私は次第にイコンタと距離を置くようになってしまった。

しかし今年になってもう一度イコンタで撮影をしてみたいのだけれど前から引っかかっている
シャッターが切れたり切れなかったりする
②11枚撮れるところ8枚しか撮れない
これらの問題を解決しないことには撮影も気持ち的にもすっきりしないだろうと思う。自分の知識・力量不足を棚に上げてしまえばの話だけども。

終始後ろ向きな文面になってしまった。美しいだけでなく威厳と重圧を感じさせるイコンタ