私が業務設計士になった理由
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私が業務設計士になった理由

税理士や公認会計士、社会保険労務士などの士業とスモールビジネスをはじめとしたユーザーを繋ぐfreeeのアドバイザー制度。
ここではすでに活躍されている認定アドバイザーの先輩方にお話を伺い、人となりや今のキャリアを構築するまでの経緯を探っていきます。

今回お話を伺うのは株式会社リベロ・コンサルティング 代表の武内俊介さん。金融のシステム企画や会計事務所、ベンチャーのバックオフィスなど様々なキャリアを経て、業務設計士として活躍されています。
そんな武内さんにキャリアの変遷や業務設計士として活躍されるまでの経緯を伺いました。本記事はMAJIKACHI JAPAN TOUR2020で登壇された内容を記事化したものです。

ルール1. プラスαを探し続ける

すでに感じてらっしゃる方もいると思うのですが、ここ5~10年で税理士業界を取り巻く状況が大きく変わってきたと感じています。
インターネットやクラウド化・日本の労働人口の減少とかですね。
昔の税理士先生と同じことしていては生き残れない時代になってきたと感じていらっしゃる方も多いんじゃないかと思います。

僕自身も税理士試験の勉強をしているときから「おそらくこのまま税理士になっても食っていけないな」とひしひしと感じていたので、勉強しながらどう付加価値をつけていくか考えていました。

昔の会計事務所は記帳・税務報告・事務処理や会計処理などのメイン業務だけをひたすらやっていれば生きていけてたんじゃないかと思います。
だからこそ、税務署の周りに会計事務所がたくさんあるという時代がありました。

現在ではそれらのメイン業務の単価が下がり、会計ソフト側での自動処理も進化し、人間がやる価値が無くなってきたり…だからこそ、メインの業務だけをひたすらやる、という従来の体制からシフトしていく必要があると考えています。

そこで、どこに自分の領域を広げていくのか、どうやってプラスαの価値を出していくのかが、これからの選択のポイントになってくると思っています。
もちろん時間は有限でそれぞれの向き不向きもあるので、なんでもかんでもやるというのは難しいです。

それぞれ個人が持つバックグラウンドや得意なことを活かして、選択していく必要があります。
例えば、記帳代行などもやりながら社長の最高の相談役になるとか、移転価格税制や企業の合併・事業承継に強い税の専門家というのもとても大きな付加価値です。

そのようなプラスαの価値をどうやって付加していくかがこれから重要になります。

ルール2. 人と違うキャリアを活かして発信する

僕は恐らく他の税理士先生たちと比べると、所謂会計事務所に居た期間が2009年から2012年の3年間しかなく、かなり短いです。

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それ以外は企画の仕事や、ベンチャー企業のバックオフィス立ち上げ、上場準備などをしてきました。
そのため税務を深める、中小企業の社長の相談役になる、というのは初めから選択肢にありませんでした。

それ以外のどういうところで生きていこうかな?ということを2009年頃から勉強し始めて、大学院に入ったりした期間もずっと考えていました。
そうした中で、少しずつコンサルティングというところをやっていこうとぼんやり考えるようになりました。

ただ、コンサルティングといってもたくさん選択肢がある中で、何を提供すればいいのかといろいろ模索していた時期があります。
そのときに起業時やベンチャー界隈にいた頃の知り合いから様々なテーマで登壇の依頼を受ける中で、「クラウド会計ソフトについて、どちらがいいかプロの目線で比較してほしい」というものがありました。

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5~6人の社長の前で使用したスライドだったのですが、その後、スピーカーデックにアップしたところ、めちゃくちゃバズったという経験をしました。
この経験から”これって結構ニーズがあるんだな”と考えて今に至ります。

ルール3. 市場から伝えるべき情報を見つける

今でもそうなのですが、クラウド会計ソフトの名前で検索すると比較サイトがたくさん出てきます。
freeeを使ったことがある人ならわかると思うのですが、「freeeは初心者向け、MFは仕訳のできる人向け」なんて正直なんの参考にもなりません。しかしながら、本質的なところを伝えようと思うと非常に難しいところです。

そこで、僕が伝えていくべき情報は何なのかを考えました。

「会計ソフトとしてどちらがいいか?」という話ではなく、『このクラウドやSaaSの時代においてどうあるべきか?最適なのはどれか?』という話なら、ITやベンチャーにいた経験を活かして伝えられるのではないかと考え、それを反映させたスライドを作成・公開した結果、それが非常に評判がよかったのです。
この出来事をきっかけに自分の方向性がバチッと決まりました。

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ルール4. 肩書を名乗ることで立ち位置を明確にする

これらの経験から様々な選択肢がある中で、僕はあえて「業務設計士」というものを選びました。商標登録もしました。
世界に僕しか居ないので、高城剛さんの「ハイパーメディアクリエイター」みたいな肩書です。

とにかく資格をどうこうという話ではなく、この肩書を名乗ることで自分の立ち位置を明確にするという意味で「業務設計士」を商標登録までしました。

業務設計士として「よい会計ソフトがどっちか?」ではなく、『業務全体を良くするためにSaaSをどう活用して業務をどう再構築していくか?その中の一つにfreeeがある』という立ち位置を取っています。

SaaSを活用して業務を再構築していく専門家として「業務設計士」という肩書を名乗っています。

特に中小企業においてクラウドで様々なものを使っていくということは、「ビジネス全体を見ながら」「高いITリテラシーを持ち」、かつそれを「会計処理まで繋げる」という非常に難易度の高いことです。
ひたすら伝票を打っていればいい、というのとは難易度のレベルが桁違いになってきていると思います。

freeeなどを使っていく場合、経理処理の前段階にある「請求書をどうやって管理するか、どうやって支払うか、給与計算はどうする?」といったフロント業務との繋ぐ部分を再構築しなければいけません。
なぜなら、経理処理の前の業務が整理されていないとfreeeを使う意味がなくなってしまうからです。

逆に言うと、経理処理がぐちゃぐちゃ・遅い・時間がかかるといった問題のほとんどがフロント業務の段階で生じています。
そのためそこに向き合わない限り、freeeの真価は発揮できません。

その部分こそ、僕がメインで取り組んでいる領域です。

ルール5. 自身も情報もアップデートし続ける

経理とは会計データという情報を扱う仕事、ということを理解してほしいと思っています。
そのため、どう伝えればこれを理解してもらえるのか、手を変え品を変え発信していっているところです。

簿記の知識があって、ひたすら伝票の処理をして、それだけで仕事が終わった、なんていうことは許されなくなってきていると感じます。
そんなスタンスだと仕事を失う時代になっていくということを危機感を持って伝えたいし、逆にそこをアップデートできれば次の展開が見えてくるんじゃないか、というのをfreeeが見ている未来と一緒に伝えていけたらよいと思っています。

今年いろんなところで登壇や情報発信を行っていますが、お伝えしたいのは“経理”というものの定義をどうアップデートするかにつきます。

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今までなら会計や税務の知識・経験があればできていた仕事が、ビジネス全体の理解度やITリテラシーなど高いレベルでのプラスαの価値が求められるようになってきています。

そもそも、昔ながらの仕事の仕方をしていたら会計士・税理士だけでなく、経理も含めて多くの人が仕事を失う時代になってきています。
これをどうやってアップデートしていくのかというところを考え、「業務設計士」の活躍の場をどんどん広げていきたいと思っています。

「会計」は、非常によくできた世界共通の仕組みです。
それを活用するために、ビジネスとITでどうやってアップデートしていくか、仕組みそのものを再構築することが必要になってきているのではないかと考えています。
再構築によりfreeeの真価がより発揮できることを期待しています。

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「freeeをどうする?」ではなく『業務全体・仕組み全体・ビジネスそのものをどうする?』を考えていく役割として、業務設計士という肩書で様々な場所で登壇しています(2020年11-12月にご登壇いただくイベントはこちら)。

自分の立ち位置・知識・プラスαの価値を出していくという点で、“こういう方向もあるよ”という参考にしていただければ幸いです。

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