「みんなの為」とは④ ~100人の線香花火よりも、1人の打ち上げ花火が見たい組織~

前回、「みんなの為」というやり方は2つある。

1つは自分の持ってる力を、部下全員1人1人に渡るようにするやり方。

もう1つは、部下の中からキーパーソン、インフルエンサーを探し、

その1人を選んで、自分の持ってる力をすべて注ぐことで、

その1人に点火した熱が、周りの人にも伝播するというやり方。

「結果がすべて」という言葉によって「みんなの為」というやり方をしたい時も、

この2つを使い分けなければ「みんなの為」にならない、という話をしました。



私は前回、部下の立場から

「結果がすべて」と語る上司によって起きる問題を述べました。

しかし、上司の立場からするとどうなのか。

その上司にも、さらなる上司がいるでしょう。

そこで皆さんは、組織の社長や常務といった、

グループ内のかなり上の立場になって考えてみて下さい。

Aさんは、

自分の持ってる力を、部下全員1人1人に渡るようにする

「みんなの為」というやり方をしていた。

また、Bさんは、

部下の中からキーパーソン、インフルエンサーを探し、

その1人を選んで、自分の持ってる力をすべて注ぐことで、

その1人に点火した熱が、周りの人にも伝播するという

「みんなの為」というやり方をしていた。

社長や常務のような立場の方々は、

いったいどちらの人を応援しようと思うでしょうか。

ハッキリ言います。

Bさんを応援する人が多いと思います。


なぜなのか。

Aさんのやり方では、部下1人1人にかけられる力が少なくなります。

Aさんの力が100だとし、Aさんに部下が100人いたとすれば、

部下1人1人にかけられる力はたったの1です。

たったの1の力しかかけられなかった部下に、

どれほどの結果を挙げることができるでしょうか。

部下全員が成長したと言えば聞こえは良いかもしれませんが、

線香花火のようなちっぽけな光しか、部下1人1人の輝きは見えません。


一方、Bさんのやり方なら、特定の部下1人にかける力が大きくなります。

部下の中からキーパーソン、インフルエンサーを探し、

その1人を選んで、自分の持ってる力をすべて注ぐわけですから、

Bさんの力が100だとすれば、100の力すべてが

キーパーソンである部下1人にかかります。

そうすれば、キーパーソンである部下から大きな結果が期待できるでしょう。

打ち上げ花火のような大きな光が、その部下から見えることでしょう。


何百人、何千人という人がいる組織。

そんな組織の中では、線香花火のような光は有象無象の扱いになりがちです。

100人の線香花火よりも、1人の打ち上げ花火が見たい。

これが、組織というものです。

社長や常務の目というものです。

もちろん、そんな組織ばかりではありませんが、

意識しなければ100人の線香花火よりも、1人の打ち上げ花火が見たい。

放っておくとそんな目線になってしまうと分かって、

企業努力されている組織なのでしょう。

たとえ組織という大きな枠で考えなくても、

自分の胸に手を当てて考えてみてください。

あなた自身は100人の線香花火を見たいですか。

それとも、1人の打ち上げ花火が見たいですか。


こうした上からの圧力もあるがために、

本当は「みんなの為」というやり方に2つあると分かっていても、

部下の中からキーパーソン、インフルエンサーを探し、

その1人を選んで、自分の持ってる力をすべて注ぐことで、

その1人に点火した熱が、周りの人にも伝播するというやり方。

このやり方しか、選べない。

「結果がすべて」としか言えず、焦ってしまう。

そんな上司もおられるでしょう。

こうしたケースが最悪な形となった格好の例が、

かんぽ生命の不適切な販売でしょう。

「結果はすべて」のごり押し。

この言葉を上は黙認。下は誤解。

誰もAさんの「みんなの為」というやり方。

自分の持ってる力を、部下全員1人1人に渡るようにするやり方。

これを、知りませんでした。


本当に「みんなの為」に結果を出したいというなら、

Bさんだけでなく、Aさんも大切なのです。

「みんなの為」というやり方は1つだけじゃない。

これを知って今年1年始めたいという事から、

書かせて頂きました。


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