【日経COMEMO】出戻り社員に期待すること

日経COMEMOにて、↑に関する投稿募集がありました。

私自身は独立しており、出戻り社員ではありません。しかし、出向していた会社から業務委託によりお仕事を頂いておりまして、出戻り的な面がありますので、私が感じていることを書こうと思いました。

〇あなたは出戻り社員になにを期待しますか。出戻り社員を採用するメリットはなんでしょうか?

まず挙げられるのは即戦力としての期待でしょう。過去に行っていた業務であれば思い出しさえすればすぐに対応できますし、元々いる社員とも顔なじみですので連携もできます。

次に、外部にいた頃の経験を取り込めます。同じ会社にずっといると、良くも悪くも考え方が固定されてしまいます。他での経験と元々いた会社との比較を行うことで、多様な考え方ができるようになります。変化の激しい現代においては多様性の取り込みは大事なことだと考えます。

最後に、出戻り社員も会社も、お互いの雰囲気や性格、能力などを分かっているので、スムーズに溶け込めます。これらが合わないことが、就職後のミスマッチの原因として多いですが、このリスクを排除できるのは大きいです。お互いの探り合いもいらないので、採用もスムーズに進むと思います。

〇出戻り社員を活かすには、どのような制度が必要で、どんな点に注意が求められると思いますか?

ジョブ型(仕事を明確に決めて、その仕事への成果に対して報酬を支払う形態)での採用、又は採用ではなく成果に対して報酬を支払う業務委託契約にすべきだと思います。

終身雇用を前提とした在籍期間に応じた昇進制度では、元からいる社員と出戻り社員とを比較して評価することは難しく、不公平感の原因にもなりかねません。従いまして、出戻り社員に対しては、仕事の内容で評価するのが一番だと考えます。

また、出戻りし易いような制度や出戻りを約束する制度があった方がいいと思います。出戻りというセーフティネットがあれば、転職や出産・子育てに対して心理的ハードルが下がり、社員の満足度も高まるのではないでしょうか。また、出戻りを促進することで、多様性を取り込むこともできます。

出戻り制度があるという事は、最初に辞める際、喧嘩別れは避けなければなりません。社員と会社はお互い、長期に渡って良好な関係を築くことを心掛ける必要があります。そうでないと、いざという時に出戻ることができなくなります。また、出戻り社員としては、仕事に対する成果をはっきり出せるようにスキルや人脈を築いておくことが必要です。

〇出戻り社員が求められているとすれば、どのような背景があるとおもいますか?

一括新卒採用・終身雇用の制度設計に限界が来ているのだと思います。

確かに仕事がいくらでもあった高度経済成長期には、人員の確保や会社への忠誠心を醸成し離職を抑えるという点で適していましたが、現在は少子高齢化も進み、需要にも限りがあります。そのような時代の変化の中で、(言い方は悪いですが)いわゆる素人である学生を大量に一括採用するメリットは少ないと考えます。海外ではインターン経験や専門分野などを持って就職するのが通常だと聞きますので、日本もそのようにシフトすべきと考えます。また、時代の変化が激しい中で終身雇用を継続するのは、余剰人員の発生というリスクを抱えかねません。

中途採用においても、ミスマッチのリスクが高いので、そのリスクが低い出戻り社員が求められているのだと思います。時代の変化に対応するために多様性を取り込むニーズも背景にありそうです。

#日経COMEMO #出戻り社員に期待すること

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