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配偶者にすべての役割を負わせ続けるのは無理がある|恋愛感情のアウトソーシング


夫婦には、いろいろな役割や機能がありますよね。

社会学の本とかも参考にしながら考えてみたのですが、ざっとこんな役割・機能があるんじゃないでしょうか?

あ、ちなみに図は全部オリジナルなので、無断転載を禁じます。著作権には詳しいですよ(笑)。


夫婦の役割・機能ってこんな感じ



①友愛
友達とか親友とか。ずっと友達のような仲良しご夫婦もいますよね。

②恋愛
結婚後もずっと恋愛感情を保ち続けている夫婦って本当にいるんですかね?

③心友
心の繋がり、いたわり、いつくしみ、癒しとかそんな感じです。

④性(SEX)
結婚後も性欲はあります。建前上、セックスするのは夫婦間だけになりますが、セックスレス夫婦が6割以上などの調査結果がありますね…。

⑤生殖
子どもを産む役割・機能です。

⑥子育て
子どもを育て、しつけて一人前にし、社会に旅立たせる機能です。

⑦生活
お金を稼ぎ、家計を維持し、家事を分担し、日常生活をシェアするなど、生活を共同運営する機能です。

⑧社会単位
夫婦は社会の最小の構成単位として社会制度のなかに組み込まれます。税金その他の行政のもろもろ、家族単位が多いですよね。

⑨相互扶助・リスクヘッジ
「いざという時」を考えて結婚する人もいますね。やっぱりずっと1人だと、孤独死などが心配になります。また何かトラブルがあった時に自分の味方になってくれることを期待します。

⑩福祉
ケガや病気、障害、高齢で介護が必要になったときに助けてもらうという機能です。すべて医療福祉制度はむずかしいですから。



図にすると、こんな感じですかね。



ただし、この機能はすべて夫婦で担う訳ではなく、実際にはアウトソーシングされますよね。


進む夫婦の役割・機能のアウトソーシング化


昔は「嫁」の負担が過大で、子育てや介護、家事、性(SEX)を一手に引き受けていました。「ザ昭和」の世界です。

そのほかの役割・機能は隣近所の地域社会や親族でシェアすることが多かったですが、地縁や血縁が希薄になった今は、お金を払ってアウトソーシングすることが大半になっています。

アウトソーシングはどんどん進んでますね。



が、しかし!!

アウトソーシングが難しい部分があります。

友愛、恋愛、心友などのハートの部分です。夫婦愛はこれらが合わさったものですよね。


夫婦の間にずっと心の繫がりがあれば理想だけれど


夫婦関係の「ハートの部分」はアウトソーシングできない?


結婚後10年の皆さん、配偶者に友愛の気持ち、恋愛の感情、心の繋がり…、どれくらいありますか??

西園寺の場合、本音を言うとゼロに近いです。

情はもちろんありますし、大切に思う気持ちや感謝の気持ちはありますよ!

夫婦間の愛情や気持ちが冷めてしまったら、どうします?

離婚?

そのまま我慢?

ハートの部分以外の役割・機能に大きな不満がなければどうします?

そのうえ、子どもがいて、子どもがパパとママが大好きとか。

子どもの影響、生活などいろいろ考えてしまいます。


冷めたら離婚すればいいとか簡単に言う、そこのあなた!!

想像力と人生経験が足りないと思います(ぷんすか)。

離婚は、それなりに大きな決断なのです。


家族の繫がりを壊すのはなかなかできない


それに、恋愛感情だけがなくなるケースもありますよね。

友達みたいに仲が良くて、心の繋がりもある。

でも、恋愛感情は抱けない。

これも、我慢ですか?

恋愛感情は、人間の自然な感情だと思うのです。


人はいくつになっても恋愛したいもの


紀元前の物語や詩にも出てきます。日本だと平安時代の王朝文学に頻繁に登場しますよね。

一生、我慢ですか?

それとも、無理やりパートナーに恋心を抱き続けて、相手にも強要するとか?

よくよく考えると、ずっと配偶者ひとりの「一穴主義」って、グロテスクですよね。。

本当に目移りしない愛情があれば美しいことですが、「他でできないから配偶者で性処理」となるとかなりヤバめな気がします😅


恋愛感情その他もアウトソーシングできるのでは?


もちろん、夫婦でずっと恋愛感情を持ち続けるのはすばらしいことです。

また、家族愛という別の形に昇華できれば、恋愛感情は不要ということもあるでしょう。

でも、恋愛感情が足りないと思った場合、男女としての気持ちはなくなってしまった場合、それどころか気持ちが冷めている場合、「結婚しているから」と、何十年も我慢し続けなければいけないのって、何か理不尽な気がするんです。

重要とはいえど、男女としての気持ち、恋愛、性は、夫婦の役割・機能の一部分です。

他の役割・機能と同じく、アウトソーシングしてもよいのではないでしょうか。

婚外恋愛、あるいはセカンドパートナーという形です。

婚外恋愛は、結婚している者どうしの恋愛をいいます。

セカンドパートナーは婚外恋愛のなかでもプラトニックを維持する男女関係です。恋愛感情のある友達のようなものになります。



セックスレスだけなら、性風俗などの代替手段もあるでしょう。

でも、心のあるセックスをしたいですよね。

夫婦で心のあるセックスができないなら、一生諦めるなんて生き物として不自然です。

恋愛感情を我慢することも、生き物として不自然です。

そもそも、現代の結婚制度そのものが「無理筋」なのです。


現代の結婚制度が生まれた背景には、ロマンチック・ラブ・イデオロギーがあります。

簡単に言えば「結婚における恋愛至上主義」です。

19世紀くらいにヨーロッパで生まれ、20世紀に世界中に広がりました。

日本に本格的に浸透したのは、戦後の1945年以降です。アメリカの影響ですね。

ロマンチック・ラブ・イデオロギーが浸透する前は、結婚と恋愛は結び付いていませんでした。特にアメリカやヨーロッパ以外はそうですね。



今さら、恋愛結婚を否定する気はありません。西園寺も恋愛結婚でした(なのにこの結末…)。

でも、不倫バッシングまでになると、ちょっと違うのではないかと思うのです。

普通に考えて「ずっと1人」は多くの人にとって無理のある制度ですし、しかも人工的に作られた制度です。19世紀以前は違いましたし、ずっと1人が「当然」で「正義」ではないのですよ。

ロマンチック・ラブ・イデオロギーによって生まれたのが、「性」「愛」「結婚」の三位一体主義です。この主義により「結婚したら他の人とセックスしちゃだめ」という考えが広がり、固定化されました。



現代の結婚は、この理想(虚構ともいえる)のうえで成り立っています。

詳しくは語りませんが、キリスト教のプロテスタンティズムの影響が色濃いのです。

結婚しても自由に恋愛しようぜ!とは言いません。

でも、配偶者や家庭生活に配慮したうえで、大っぴらにしなければ、

結婚していても恋愛しても良いかなと思うのですが、皆さんはいかがですか?

※しつこいですが、図や表の無断転載を禁じます(笑)。だって考えて作るの大変だったし!


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