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ライバルには活躍してもらわないと困る

今日のテーマは、『ライバルには活躍してもらわないと困る』っていうお話です。

タイガーウッズの有名なエピソードに、ライバルのパットを「入れ!」と念じたというものがありますが、皆さんは聞いたことがありますか?

これは2005年に行われた「アメリカンエクスプレス選手権」最終日のプレーオフで、ジョン・デイリー選手と優勝争いをしていた時にあったエピソードです。

この試合で、先にパットを決めていたタイガーはもしもジョンがパットを外せば自分の優勝が決まるのに、

ジョンがパットを打つ瞬間、「入れ!」と念じたそうです。
結果として、ジョンはこの時パットを外してしまい、タイガーは見事優勝したわけですが、

普通ならライバルの失敗を望むところで、相手が成功することを念じたタイガーのメンタルの強さと素晴らしさを讃えるエピソードとして、有名な話です。

このエピソードからは2つの解釈ができます。
1つは、私たちの潜在意識は自分と他人の区別がつかないので、他人の失敗を願うということは、つまり自分自分の失敗を願っているのと同じだという見方です。

潜在意識って、頭で考える価値観とは別の原理で働いているんですよね


その特徴として、今言った「自分と他人の区別がつかない」っていうことの他に、
「本物と偽物の区別がつかない」っていうものと「時間の概念がない」ってものもあります。

私たちが日頃自覚できる意識は自分と他人の区別をしっかりとするので、なかなかこの潜在意識の原理を納得することはできないんですが、

実際に例えばホラー映画を見たときに、
自分はすごく安全な場所でソファーでくつろいでお菓子とか食べながら見ているにも関わらず、映画の登場人物と同じような恐怖をリアルに感じたことがあると思います。

あと、感動する映画で自分には1ミリも関係ない話なのに、主人公に共感して泣いてしまったりとか。
これは潜在意識が自分と他人の区別がつかないから起きていることなんですよね。

なので、ライバルに対して「失敗しろ!」と念じることは、頭では自分と切り離しているつもりでも、潜在意識的には自分に対して言っているのと同じと認識して、自分が失敗する現実を作り出してしまうというものです。

でも、これって、頭では分かっていても、気持ち的には無理なときもありますよね?
正直、悔しいし、羨ましいし、とても心から喜べない時があると思います。


そこで、タイガーのエピソードから学べる2つ目の解釈です。
これは、

自分が望む成功や理想の世界に出てくる人であれば、自分と同じようにレベルが高くなければおかしいという考え方です。


つまりタイガーは、ジョンにこの大事な局面でパットを外せと願うということは、「自分はこの後もうワンホール、ジョンと戦うことになったら次は勝てるかどうか分からない。だから、ここで勝っておきたい」と考えていることになってしまうんですよね。

でも、タイガーが望む成功とは、誰もが称賛する強い相手と戦って、その相手に自分が勝つ、世界最強のゴルフプレイヤーなわけです。
ここで、相手のミスにつけ込んで優勝できたら嬉しいという考え方は、タイガーが望むゴルフプレイヤーの姿ではなかったんですよね。

なので、タイガーは自分がどんなときも完璧な勝利者でいるためには、相手のミスを願うどころか、どれだけ試合が続いても、相手がどれだけ強くても、そこで勝つことができる自分っていうものを証明するために、ジョンのパットの成功を望んだというわけです。

そうでなければ、自分が望む最強のゴルフプレイヤーとしておかしいと信じていたんですね。

例えば、あなたが年収600万円の会社員で、成績を競っているライバルがいて、その相手が今月も部署の中で成績が一番だったとします。
そんなライバルが部署内で称賛されている時に、あなたも口では努力を讃えながらも、心の中ではとても悔しい思いをして素直に祝福できないでいたとします。

でも、もしも、

あなたが望む成功が今の年収の10倍だった場合、そこに登場するライバルや一緒に仕事をする仲間も当然その10倍の年収で働いていなければおかしい

ですよね?

あなただけは年収6000万円なのに、周りの人の年収が600万円だと、あなたと釣り合わないし、環境としてもおかしいですよね?
潜在意識は自分のセルフイメージ通りの環境を再現します。

「自分の年収は600万円だ」と思っていれば、年収600万円が可もなく不可もなく感じられる環境、つまり、周りの人も同じくらいの年収の人を登場させ続けます。
その状態をずっと再現するんです。

逆に、年収6000万円の人の世界には、 同じくらいの年収の人しかいません。
なぜなら、その人の中では年収6000万円が何の違和感もないので、周囲にも同じような人を登場させ続けるからです。
そのコミュニティの中に、1人だけ600万円の人がいる方が違和感なんです。

で、この場合、6000万円の人が600万円になることで釣り合いを取るのではなくて、
600万円の人が6000万円に上がっていくんですよね。
だって、そのコミュニティの中では、600万円の人の違和感の方が圧倒的に強いわけですから。

600万円の人が6000万円の人からセルフイメージを書き換えられることはあっても、その逆はないということです。


はい、少し話がそれましたが、
あなたにとって、そのライバルはいつもの当たり前の世界の住人なわけです。
その相手への嫉妬や失敗を願うというのは、潜在意識がその当たり前の世界から飛び出そうとしているライバルに対して「おかしい、あいつは俺と同じ600万円の人間なのに」と思い込んでいるから起きてくる感情なんですよね。

つまり、セルフイメージが「私の年収は600万円だ」と思っているからこそ起きてくるんですよね。
でも、ライバルの年収が上がれば、あなたの潜在意識の「いつもの当たり前」が変化するわけです。

年収600万円のコミュニティの中に、700万円、800万円の人が出てくると潜在意識にとっては違和感でしかないので、なんとか排除しようとします。

「あいつはきっと裏で悪いことをしているに違いない」とか「あいつはゴマスリが上手いから」


とか理由を考え出して、「そんなことをしてまで自分は700万、800万にならなくてもいい」という結論を出して、600万円の世界を守りたいわけです。

でも、そこを敢えてそのライバルの存在を認めたり、いてもいいよと許可を出すことで、

「いつもの当たり前の住人が年収上がったんなら、自分も700万、800万でもおかしくないよな」


とセルフイメージを変えることができるわけです。

何度も言いますが、潜在意識が再現するのはいつもセルフイメージです。
セルフイメージに沿った出来事を延々と色んな形で起こしてくるだけです。

なのであなたの身近な人の成功を、嫉妬の対象にするのではなく、理想の未来や成功に近いセルフイメージに書き換えてくれる存在だという視点で見てください。

自分が努力しなくても、勝手にセルフイメージを書き換えてくれているわけです。


こう考えれば、自然とライバルの活躍を祝福できるはずです。

これはお金の話だけではなく、どんなことでも同じことが言えます。

なので、今日の話を参考に身近な人やライバルの活躍について、新しい視点で捉えるようにしてみてください。

嫉妬や失敗を願う方向から相手の活躍を見れば、現状維持が続きますが、
自分の力を使わなくても勝手にセルフイメージを高めてくれると考えれば、心から祝福できると思います。

では、今日は以上です。

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