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『日本語教育能力検定試験』合格分析談4(同時処理型の人向);直前3週間発狂編

日本語教育能力検定試験の体験談を書いています。
今回は、本試験直前の3週間について
ここで初めて過去問に手をつけるという恐ろしさ。
しかも、まだ聴く問題と、書く問題の対策は一ミリもしていません。
ここで救世主が現れました。
体験談1でも紹介した日本語教育の検定問題を解く 新田豊です。
過去問の答えの解説書になります。
私が受験した2018年に出たばかり(電子書籍のみ)。トライアル的な面もあったのか、ものすごく安くて、それから今は出版していない2016、17年の分などもありました(手元にあります)。詳細は以下の本文で。

また、学習時間について書いていなかったので、ここで書くと、
たしか1日6時間くらいだったと思います。
専業大学院生だったので、時間があった、けれども、トシなので(当時54歳)、それ以上は集中力が続かなかった・・・。
これを読んでいる皆様が、もっとお若ければ、1日10時間以上もできるかもしれないし、忙しければ、私のように直前6週間とか3週間とかやっていないで、もっと前々から準備されて少しずつ進めると良いと思います。
時間ではなく、方法論のエッセンスが誰かの何かしらのお役に立てることを祈っています。

2018年、日本語教育能力試験に合格した。独学である。
本年度の試験要項はこちら
合格者が、一般的にどれくらい勉強しているのかわからないが、
私自身は、ここに書いてきた”認知処理型”の考えを活かして、少なめの勉強量で合格したように思う。
合格体験は、どうしてその学習法を取ったのか、そこの分析がないと、それを読む他人には活かせないと思う。だから、丁寧に分析をして、誰かの役に立てたらいいな、と思って書く。
一人ぼっちで勉強していたので、孤独だった。今、一人で学んでいる誰かに寄り添う内容になればいいな、と思いながら、書く。記事4、5本になると思う。(知識学習I期。知識学習II期←今回ココの後半。音声学習。記述問題対策)

赤い本の2回目を回し終わった。

7回読み勉強法

 一時期一世を風靡した”7回読み勉強法”というのがある。
東大主席弁護士で、テレビにも出ておられる(のかな)山口真由さんの勉強法だ。
本も出ているが、この言葉でググると、あちこちに解説もある。
私がやっていることは、考え方は同じかと思う。
薄く、全体を、何回も。嫌にならないように少しずつ深める。
7回読みは、同時処理型の人にはピッタリだと思う。
一方、継次処理型の人は、苦痛かなぁ、という気がする。(継次の人は、ポイントだけつまむように読んでいく、などが苦手なため)

諦めよう、でも勉強しよう

さて、3回目だ。
時間もないから、今度は1日に6、7セクションやって、1週間で終わらせたい。
と、思っていたが、
く、くるしい。
もともと、知識羅列型が苦手=予備校テキストが苦手なので、もう、気持ちが悪くなりそうである。
無理だ。
じゃあ、とりあえず、過去問をやってみよう!
この時期過去問に手をつけてないなんて、そもそもヤバいし。
・・・・・。
1年分やってみた。50〜60%くらいの出来である。
まぁ、そうだよね。とりあえず、目指せ50%で勉強始めたんだから、予定通りといえば予定通り。
でも、2週間前でこれか・・・。(合格点は70%くらいらしい)
もう、諦めだな!
諦めよう。
でも、勉強しよう。(T ^ T)

過去問の回答を検討する
く、くるしい。
過去問は、知識が断片的に出てくる。
ただ、ひたすら、「これは知らないから覚えよう」
になってしまう。
この先、どこまでいくのか?
回答検討もものすごく時間がかかり、3年分やっていたら、そのまま本試験になってしまいそうである。
え、じゃ、1年分だけ?
どうするの?
これは、合格へ向かう道程なの?
どうする?
どうするんだ⁈
どうしたらいいんだ!
などとドタバタして、2回目を回し終わってから瞬く間に10日くらい過ぎてしまう。

苦しい私は、救いを求めて、ネットへ逃避する。
そこで、前から気になっていた本の題名を見つめる。
「試験直前(この時もう10日前くらい)。新しい本に手を出すのは、もってのほか。最もやってはいけないこと」
そうは思う。
そうは思うけど、
もうどうせ、諦めちゃってるんだし、
めちゃ安いし(今より安かった)、
買うだけ。買うだけだよ。ね。

で、買ったのが、冒頭にも書いた
日本語教育の検定問題を解く 新田豊
である。

この本のAmazonで令和3年度版の紹介文の一部を引用してみる。

この試験の「城」は「間取り」が決まっています。あらかじめ見取り図で間取りを頭に入れて扉を開けていく人と、やみくもに立ち向かっていく人では、問題を切る太刀さばきに大きな差が出ます。本シリーズで城の見取り図をつぶさに見て、仕掛けにふさわしい構えをつくって試験に臨んでください。

「城」「間取り」「見取り図」。
この頃私は”同時処理”という言葉を知らなかったが、まったくもって、このタイプの人がそそられる言葉が並んでいる。
「太刀さばき」とかも、すごく好きですよね。
続けて、令和5年版。

来るべき国家試験に最も参考になる資料は、現〈出題範囲〉に準拠した令和4年度及び5年度の本試験問題です。ところが、皮肉なことに、この2年度の本試験問題は、出題ミスと不当な出題が非常に多い。令和4年度は技術的な「踏み外し」に目をつぶれば全体としては十分活用できますが、令和5年度の問題は、基本用語に関する作問者の誤解が問題文にまで及んでいる問題や著しく妥当性に欠ける問題が目立ち、問題自体を作り替えなければいけないものが多数あるありさまです。////
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国家試験は現行の〈出題範囲〉で行われます。『日本語教育の検定問題を解く』のシリーズは、令和3年度以前の本試験問題も現行の〈出題範囲〉と対応させて解説しているので、本シリーズを活用して過去数年間の本試験問題を研究することが、国家試験のための最上の受験勉強になります。特に、令和4年度・5年度の両年度は、上記の事情から、本シリーズを併用することをお勧めします。

どうだろう、この、おもねりの無さ!
そして、ひそやかな「実力感」。
おばさんだって、キュンキュンだ!
2018年(平成30年。令和−1年)当時も、同時処理タイプの人に刺さる言葉が書かれていたと思う。
ポチ。
電子書籍だから、すぐに手元に本がくる。

「な、なんてわかりやすいんだ!」

今まで断片的に入れてきた知識が、
歴史的に時間系列で、
種別に他の領域との関わりで
どんどんつながって、立体的に
見えてくる。
過去問1問1問の解説なのに、どういうこと?
この人スゲエ!

たぶん、この解説書は人を選ぶと思う。
同時処理系(物事をまず全体で捉えるのが好き。単純暗記は厳しく、ストーリーが大切ナドナド)の人は、手に取る価値があると思う。

この時期には、音声問題の学習や小論文も少しはやっていて、時間が足りず、
買ったもの全部を読めなかった。

試験前日当日(諦めよう、でも勉強しよう、は続いている)

書籍が入ったKindleは、試験前泊の宿まで持って行った。
今まで学習した知識のチェックを宿でした後、
「直前に新しいものを見るのは良くない、良くない・・・・」
と思いながら
「いいや。”楽しみ”ということで、趣味的に読もう。どうせ受かんないんだし」
と思って、まだ読んでいない解説を、部分的に読んだりした。
へー、そうかぁー!なーるほど。ふんふん。
この人の解説には、相変わらず感動した。
宿(ゲストハウス)の狭いテーブルや、ベッドの上(ほぼ押入れ)で読んだその時の光景は、まだ覚えている。それくらい、Kindleからの光を浴びながら読んだこの本の解説は面白かった。
体調優先で、しっかり寝るため、結局全部は読めなかった。
まぁ、仕方ないか。

そして、その解説の知識で結び付けられた知識を問う問題が
本試験で出まくった

前日の夜と試験当日の朝に読んだところから丸ごとごっそりも、2.5箇所くらいあったと思う
驚きながらも、丁寧に問題を解いた。

試験が終わった時、
受かったなー
と思った

何だか、いろいろなことにケジメがつけられた気がして、涙が出てきた。


最後、新田豊さんの本を褒めまくって終わったが、
私の”感動”の背景には、
基礎知識がなさ過ぎたことや、
知識体系がわかっていなかったこと。
アメリカでは、英語で、このような知識とは少し違う勉強しかしておらず、
それ以外の他人の講義は受けたことがなかったことなど、
そういうことも、含まれていると思う。
だから、誰にでも良い、とは言わないけれど、
「自分は同時っぽいな」という人には、試して欲しい本
だ。
本人が言うように、断片的な知識が、「間取り」の中の部屋に収まり、
関係性がわかってくるので、理解が深くなり、
忘れにくくなり、
関連問題も解けるようになる。
と、思う。
あと、本年度試験まで1ヶ月ちょい。
今の時期に危険な冒険であるが、私はこの本でギリギリ間に合ったと思うので、
「責任は持てないけれど、今買ってもいいかもしれない〜」、とオススメすることはできる。


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