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ドトールのミラノサンドAはアメリカへのドアノブ(52歳田舎のおばさん留学記;番外編)

英語の学習や、アメリカがらみで、ちょっと元気をつけたいときは、ドトールコーヒーのミラノサンドAを食べに行く。
ミラノサンドAは、ニューヨークのWhole Foods Marketで買ったサンドイッチを思い出させるからだ(個人の感想です)。

アメリカ留学に行った時から遡ること7年。45歳。私は、某団体のNYイベントに「弁論大会」で入賞して、「交通費宿泊代は団体持ち」で参加した(もー、そんなことばかり)。
団体の企画に参加する以外は、自由行動だったので、私は勇気を出して、ほぼ一人でNYを探検していた。最初の目標は一人で黄色のタクシーに乗ることだったのだが、それはすぐできたので、次は「タクシーの運転手を笑わせる」を目標にしたりしてた(耳かきを使ったパフォーマンスで達成)。この当時の英語力は、全ての会話を「Could you 〜?」と「Can I 〜〜?」そしてジェスチャーでこなし切るというサバイバルぶりで(多少はI'd like toなども使ったと思うが)、道に迷ったり、その挙句に探し当てたお目当ての古本屋が「売り場整理」でお休みだったりして、頓珍漢なことばかりしていたが、楽しかった。一人行動の外国は初めてだったので、興奮した。
お金がなかったので、レストランなどは入れず、ホテルの最寄りのスーパーが、オーガニック系のちょっと高めのホールフーズ(セントラールパークの近く)だったので、そこでサンドイッチなどを買っていた。
サンドイッチは私には大きく、1回では食べきれず、1つ買って2食分にしていた。サンドイッチの半分をカバンに入れて、通りかかった公園などで食べては、NY探検をしていた。
同室の人が観光に行っている間に、ホテルで一人で小さい窓から外を見ながらもぐもぐしている時もあった。

「もう一度来る」
帰りの飛行場へ向かうバスの中で、外を見ながら思った。
声に出した方が叶う気がして、小さな声で
「もう一度来る」
とつぶやいた。
「いい歳こいて、雰囲気に酔いしれてんの? 笑える〜」
「もう一度来る、って、どこへ?NYへ?アメリカへ? 何しに?なんのために?」
と、自己ツッコミするが、
「なんかわかんないけど、いいでしょ! もう一度来る・・・」
と、自己駄々こねをした。

そうして、留学するまでの7年間。
「どこへ、何しに、何のために」も決めていないのに
「もう一度行く」
と思って、英語やったり、留学考え始めたりしていた。
それが行き詰まると、
なぜか、ドトールに行って、ミラノサンドAを食べた。
なんだか、ホールフーズのサンドイッチを食べている気がするからだ。
ミラノサンドAを食べると、アメリカへはいけないが、アメリカ行きのドアのドアノブぐらいは触っている気がした。
「よし。よし。」
と思って、頑張れた。

そうして、アメリカ留学を叶え、
戻ってきて、5年。

ここのところ、英語をやる必要がないので、
ミラノサンドAとも、あまりご縁がなかったのだが、
先日の、”アメリカでお世話になった人への手書きの手紙”を書くときは、
アメリカへのドアノブを触りながら書くために、
ドトールへ行って、
ミラノサンドAを食べた。

結局、そんな思いで、12年以上もミラノサンドAを食べているので、
たぶん、死ぬまで(今アラカンだから、そんなすごい遠い未来でもないだろうから)ミラノサンドAを食べて、ドアノブをさわさわするのだろう。

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