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劇的環境変化の緩衝材;アムトラックの利用(52歳の田舎のおばさん留学記17)

自分では、歳のわりには「環境変化に強い」「馴染みやすい」と思っている。そう、心構えとしては、新しい環境は全くウェルカムなのである。が、繊細さと、やはり年齢?のゆえなのか、いやいや、新幹線も通っていないような陸の孤島的田舎で、しかも、子育てと介護と自宅敷地内の仕事だけしてきたような人が、単身外国に行くんだから当たり前でしょ?的な、新天地に対する「おそれ」が、現地到着前にあった。

このシリーズでは、「52歳で、日本の田舎に住んでて、主に子育てと介護で”表舞台”からは隔絶されていたおばさんが、突然単身アメリカ留学すると何が起こるか?(ちなみに途中脱落帰国。2017年のこと)」ということを、英語学習面ではなく(それも少しは書くけれど)、生活面の視点からちょっと紹介します。誰かに何か参考になるかもしれないなー、というのと、ようやく振り返る気持ちになってきたので、自分のまとめを兼ねて書いています。思い出し思い出し書くので、たまーにという感覚で、ながーい期間をかけて、書こうと思っております。時系列も前後するかもしれません。

この奨学財団が指定した最初の行先(日本語教育法を7週間学ぶ)は、セントルイス(ワシントン大学の寮)なのだが、ここへは日本からの飛行機直行便がない。誰もが、どこかで乗り継ぎをする。
そこで、私は思い立って、アメリカ国内の移動を、飛行機ではなく、電車(アムトラック)にすることにした。日本国内の移動も、できるだけ、地面を這って(?)景色の変化を見ながら「移動しているんだー!」と感じたいタチである。それをアメリカでも行うことにした!

「阪急交通社」のHPから借用しました

アムトラックはアメリカ全土に張り巡らされている鉄道であるが、年々その路線は減っており、運行本数も減っている。
シカゴからセントルイスまでは5、6時間。1日5本くらいである。

まずは、シカゴに降りて2泊くらいして、体をアメリカに馴染ませ(馴染まないんだけど、そのくらいのことじゃ!)、そして、5時間半電車に揺られて、気持ちを(覚悟を)醸成していく!という作戦である。

シカゴからセントルイスへ飛行機で行くと、安くても2万円だが、
アムトラックだと5000円くらいで、格安である。

だから、同じようなことを考える参加者が他にもいると思っていた。
が、一人もいなかったばかりか、過去にもほとんどいなかったようである・・・。(後日書きます)

財団としては、何かのトラブルに備えて知りたかったのであろう「どの便でセントルイスに着くか?」という定型フォームを参加者に送り、それに書き込ませるのだが、アムトラックの利用への配慮がされていない。
それで、「私はアムトラックのこれこれの便で、どこどこの駅に着きますんで。飛行場ではなく」と備考欄に書いて提出したのだが、
数週間すると「まだ提出されていないようです。早く出して」と督促が来た。「私はアムトラックのこれこれの便で、どこどこの駅に着きますんで!飛行機ではなく!」と、もう一度送ったのだった。

アムトラックのHPより

切符の手配は、当然、全て日本で行っていた。
今見ると、アムトラックのHPもずいぶん洗練されているが、6年前は、もっと野暮ったかったような気がする。そして、切符は自分の家のプリンターで印字して持っていくようになっていた(多分今は違う)。それだけでも「すげー、現代、ってすげー、アメリカの切符、日本の自宅で印刷しちゃうんだ〜」と思っていたのだが。
それよりなにより、英語だけで書かれたWebサイトで「契約」を行う、という行為そのものに緊張していた。
こ、こ、これでいいんだよね?!と、何度も確認した。

セントルイスでの7週間の日本語教授法講座が終了した後の赴任地へも、アムトラックで行くつもりであった(1日1本)。その時の切符も買ってしまっていたと思う。
その切符を使う時の自分のことは、遠くて遠くて、全く想像ができなかった。

そして、あらかじめ準備するものは、宿の予約である。
そして、シカゴの飛行場から宿へはどうやっていくのか?も、問題である。
それは次回(より後?)。

教訓31;環境変化に弱い人(年配者)は、電車でのゆっくりした移動も選択肢の一つ! ただ、レアである。

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