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かみなりと飛行機(2/2)

前回の記事の続きです。

1、雷はなぜ発生するのか
2、電気の基本と恐ろしさ
3、機内は安全?
4、一番危ないシチュエーション
5、避雷時の整備士の点検

今回の記事では残りの4、5について解説します。


4、一番危ないシチュエーション


「電気の逃げ場がなくなり火花発生→火災」が最悪のシチュエーションでしょうか。

金属と金属の間のような、避雷時に本来電気の通り道のなるような箇所が、
しっかり密着していなかったとします。
微妙な隙間によって電気の逃げ場がなくなると、高温の熱が発生し火災になってしまいます。

このようなことを防止するため、整備士にはマニュアル通りの厳格な作業が求められます。
例を挙げると、胴体や翼に対して、この部品を取り付ける際は〇〇inの隙間しか許容されないとか、抵抗が〇〇mΩまでしか許容されないといった内容です。

毎回の確実な作業が安全性に貢献しているのです。


5、避雷時の整備士の点検


胴体に雷が流れて機内の人には影響がないと言っても、実際に電気の通過した外板にはダメージが発生します。

雷の侵入した箇所、出ていった箇所が必ず存在します。
ただし機体は大きいもので、前後に60m超え、一番高いところで20m超えなので、探すのも大変です。
大人数の整備士と高所作業車を使って探し、ダメージの大きさを測定します。
人数にもよりますが1、2時間くらいの点検作業になり、短い便間だと、次便が遅れることも多々あります。

また、コンピューターや電線などに流れている可能性0ではありません。
システムもなどの健全性も確認します。


基本的にパイロットは雷雲を避けながら飛行ルートを飛びますが、
空港周辺に雲が発生しているような、止むを得ないシチュエーションもあります。
整備士は天候が悪い日には、雷に当たるなと事務所内で祈りを捧げているのです。

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